前提は時間とともに変化する

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

先日、USAの英語辞典を発行する会社が
今年の単語として、代名詞のtheyを選んだ
というニュースが耳に入ってきました。

CNN.co.jp : 「今年の単語」は「they」、男女に縛られない代名詞 米英語辞典
https://www.cnn.co.jp/fringe/35146788.html

しかもこれまでの三人称複数ではなく、
性別に依存せず三人称単数を指す用法として
注目を浴びているそうです。

いわゆる日本の中学校で
英語を学んだ身としては
少なからず衝撃を受けました。
「言葉は変化する」ということを
リアルタイムで見せつけられたわけです。

そういえば、
私が高校生の時、英語の授業で
職業を表す「-man」が徐々に
「-person」に置き換わってきている
という話を聞いたことがあります。
昔は男性しか成らなかった職業に
女性も就業し始めたことによるもの、
つまり、どちらかというと「男女平等」
というコンテキストだったと思います。

一方、今回の三人称代名詞における
he、sheをtheyに置き換えていくというのは
まさに多様性(ダイバーシティ)における
コンテキストなのでしょう。

そもそも
「話題の対象が男性か女性か」
をどう判断するのかという問題と、
そもそも区別できるのかという問題があります。
(そうする必要があるのかという側面もあります)
そうなった時、
全く新しい代名詞を登場させるより、
theyを単数で使うというのは
良いアイデアだと思いました。
日本語だと話題の対象の性別なんて
元から意識した文法になってないので
日本語は便利ですね。

ちょっと話は変わりますが、以前の記事で、
日本人の氏名を英語(ローマ字)で書く時、
姓と名のどちらを先に置くかについて
学校で教える内容が変わったことを書きました。

Last name と first name

これと同じようなことが
日本語でも起こっていて、
常用漢字表の改定によって
小学校で教わる漢字も
私が小学生の頃とは異なっています。

これは、子供の漢字ドリルを眺めていて
あれ?こんなの小学校で習ったっけ?
と思ったことがきっかけでした。
実際調べてみると、
2010年に常用漢字表が改定されており、
それに伴い教育漢字(学年別漢字配当表)も
新しくなったようです。

常用漢字表は,どのように決められたか。―「常用漢字表」シリーズ②― – 言葉のQ&A – 文化庁広報誌 ぶんかる
https://www.bunka.go.jp/prmagazine/rensai/kotoba/kotoba_010.html

分かりやすい例でいうと、
岐阜県の「岐」「阜」や新潟県の「潟」、
愛媛県の「媛」など、
少なくとも都道府県レベルの名称は
小学生のうちに書けるようにさせようという
意図がうかがえます。
こういった改定は個人的には大賛成です。

他にも、ニュースなどで馴染みのある単語に
使われる漢字(挨拶など)が追加されています。
鎌倉の「鎌」も追加されたようですが、
歴史で「鎌倉時代」って習うのに
常用漢字ではなかったのですね。

このように時代の要請とともに
言葉は変化していくし、
学校で教える内容も変化していきます。

私たちは誰かと話を始める時に、
暗黙の前提を置くことが多くあります。
例えば、小学校で何を習ったかなどがそうです。

これからは相手が誰であるかに関係なく、
コンテキストを共有することから
始めるようにしたいと思いました。
同じ言葉が同じ意味で使われているとは限らない
ということが普通に起こり得、
それが物事を進める上での
障害になりかねないからです。



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