7月30日に公開された「令和3年版 情報通信白書」を読んでみた

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

総務省が先月末の7月30日に、令和3年版の、つまり今年の情報通信白書を公表しました。これは誰でもダウンロード出来て、しかもクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で公表されていまして、出典を明記すればだれでも自由に二次利用ができるようになっています。

令和3年7月30日 報道資料
令和3年「情報通信に関する現状報告」(令和3年版情報通信白書)の公表
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000155.html

情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/index.html

情報通信白書って今まであまり意識したことが無かったんですけれど、なんと私が生まれる前から毎年作成されているものなんですね。もちろん最初の頃は総務省というのは存在しませんでしたので、その前身である郵政省が発行していました。

私も実際にPDF版をダウンロードしてみたんですが、これがなんと450ページもあって、しかも序章だけで50ページもありまして、私は序章だけ読んで満足してしまったんですが、そういう人のために情報通信白書のポイントを6ページにまとめたサマリーも同時に公開されていまして、全体を掴みたい方はまずそちらを読むとよいと思います。似たような資料に「情報通信に関する現状報告」という概要版がありまして、ポイントと概要と何が違うのかと思ったのですが、概要の方は10ページほどありまして、A4横向きのプレゼンテーション資料みたいで、どちらかというと概要の方がメッセージ性が強い印象を受けました。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


全体は2部構成になっていまして、第1部がメッセージの部分ですね。
序章が日本のデジタル化の歴史、第1章がデジタル化の現状と課題、第2章がこれは今どきだと思うんですけど、コロナ禍によってデジタル化がどう変わったかという切り口で語られています。第3章がデジタルディバイド(digital divide)、いわゆる情報格差などの社会的課題について述べています。
第2部が基本的な調査資料となっていて、第4章が統計データ、そして最後の第5章が政策についてまとめられています。

おそらく人によって関心事が違うので、人によって読みたい箇所が異なると思います。私は第1章の課題と第5章の政策についてはざっと流し読みしたんですけれども、後でじっくり読みたいと思いました。特に課題のあるところにはビジネスの種があると言われていますので、ITエンジニアがこれからのキャリアを考える上で、どういった分野に需要が出てきそうかというのを見極める意味でも、こういった資料に興味を持つのは役立つこともあるのではないかと考えます。

情報通信白書は、総務省が発行しているだけあってデジタル化と言っても通信分野を中心に語られています。もちろん今のITは通信が無いと成り立たない部分もありますから、それで何が悪いのかという思いもあります。ただ、ITエンジニアとしては通信が全てではないと思いますので、情報通信白書を読む際にはその点を意識して読むとよいのではないかと思いました。

ちなみに、これはずっと前に聞いたことなんですけれども、ITとICTはどう違うかという話で、ITは情報技術の頭文字で経済産業省の管轄、ICTは情報通信技術の頭文字で総務省の管轄なんだそうです。情報処理技術者試験でおなじみの情報処理推進機構いわゆるIPAは経済産業省の管轄です。そしてこの9月からデジタル庁という役所が設立されます。これによってIT分野の行政を整理・統合するはずが、かえって混乱を招かないことを願います。



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