OSのサポート終了の影響を考える~Win8.1 EOSに際して~

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

1月10日にマイクロソフト社が提供しているWindows8.1のサポートが終了しました。それを受けて1月12日に独立行政法人 情報処理推進機構(通称IPA)が公式サイトにて「Windows 8.1 のサポート終了に伴う注意喚起」というお知らせをアップデートしました。

Windows 8.1 のサポート終了に伴う注意喚起
(最終更新日:2023/1/12 情報処理推進機構)

※ 登録商標(™及び®)などの記述は省略していますが、記載の製品名は各社の商標または登録商標です

Windows8.1の前にWindows8.0というのがあったんですけれども、8.0の方は2016年に(つまり7年も前に)サポートが終了していました。そう考えると随分と長いことサポートされていたということが分かります。もっとも、Windows8.0はスタートボタンを廃止してスタートメニューの代わりにスタート画面を採用した点がユーザーに不評であり、そのマイナーチェンジとしてスタートボタンを復活させたWindows8.1をリリースした背景がありますから、8.0の方は8.1に置き換える意味でも早めにサポートを打ち切ったのかもしれません。

実際、Windows8.0や8.1がリリースされているタイミングでも、客先で貸与されるPCのOSはWindows7であり、しかもPCを入れ替えるタイミングで一気にWindows10のPCになりましたから、私自身それほどWindows8.xに思い入れがあるわけではありません。自宅には、家族が使っているPCが確かWindows8.1だったんですが、Windows10がリリースされた時にアップグレードしてしまったんですね。ただ、やはりマシンのパワー不足は否めず、Windows10がインストールされているPCに買い換えた記憶があります。

今回のIPAの注意喚起はOSのサポート終了が近づくと発信されるお馴染みのものです。サポート終了後に見つかったOSの脆弱性は、原則としてセキュリティアップデートなどの対応が行われないので、セキュリティ上のリスクを抱えることになる前に対策しましょうと呼びかけるものです。対策と言っても、古いOSを「サポートが継続している後継または代替の OS に移行する」しか選択肢がありませんので、仮にPCが「後継または代替のOS」に対応していない場合は、リスクを承知で古いOSを使い続けるか、もうそのPCを引退させるしか選択肢が無いわけです。

これで思い出すのが、ある施設のデジタル掲示板です。ビルの入り口などに、何階の何号室をどの団体が使用するかを掲示しているのをよく見かけると思いますが、それを大型のディスプレイモニタを設置して投影しているものをデジタル掲示板と言っています。もう10年以上前になるかもしれませんが、その施設では、おそらくですが、デジタル掲示板専用のシステムではなくて、手作りのファイルをフルスクリーン表示していたようです。

ある時、たまたま施設の営業時間終了時に居合わせたら、普通にPCをシャットダウンする様子がディスプレイに映っているのが見えました。私はそれを見て、「ああ、こういうのって普通のパソコンを使って実現しているのか」と感心したものです。まあ、その施設は1か所だけに設置されているので、勿体ないけどPCであってもOSのサポート終了に伴う入れ替えの影響はそれほど受けないかもしれません。これが、専用のシステムを構築して、大規模に展開している場合はOSの入れ替えもハードウェアの入れ替えも難しいのかなと思います。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


これは5年前の夏や2年前の秋にちょっとしたニュースになったのですが、ある鉄道会社のシステムがダウンしてリスタートした時に、その鉄道の駅に設置しているお知らせのモニタにWindows2000の起動画面が表示されたという事件がありました。まあ、これらの鉄道会社の場合はイントラネット上のシステムであって外部には接続されていないという情報もありますので、Windows2000を使い続けていることの是非は一旦置いておきましょう。ただ、こういった大規模な専用システムをガッチリ組んでしまうと、OSを入れ替えたりPC(またはサーバ)を入れ替えたりということが簡単にできない事情もあるということです。

一方で、あるクリニックでは、以前は予約管理システムを使っていたのですが、そのシステムがWindowsXPでしか動かないために、かつ、新しいシステムがそのクリニックにとっては高額なために、XPのサポート終了と共に予約管理システムを廃止し、診察券の裏に手書きで予約日時を書き込む形式に逆戻りしてしまいました。大規模な病院と異なり、小規模なクリニックではなかなかそういった機材にお金をかけられない事情があります。その場合、リスクを背負って使い続けるか更新するかではなく、使い続けるか廃止するかという二択になってしまうこともあるということです。

こういう話は以前からOSのサポートが終了するたびに問題になっていました。システム利用者としては、同じOSをずっと使い続けられたらいいのにと思うものです。こういう問題を回避する決め手は無いんですけれども、やれることとしたら、システムを導入又は構築する時に、ハードウェアやOSなどのサポート切れのことを運用上の課題として認識し、その時のための想定をしておくしかないのかなと思いました。



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