オンライン座談会レポート:日本の住所表記、問題点とその解決策

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

6月9日に、「うわっ…日本の住所表記、ヤバすぎ…?解決策をダラダラ語る会」というオンライン座談会が開催されまして、リアルタイムで参加してきました。

うわっ…日本の住所表記、ヤバすぎ?解決策をダラダラ語る会
(2023/6/9 19:30開催 一般社団法人コード・フォー・ジャパン)

参加と言っても、実態はYouTubeでのライブ配信で、Slido.comにてリアルタイムで質問を受付けたり、ある程度双方向(1.5方向くらい)のイベントでした。このイベントページにも記載がある通り、最近、SNSで日本の住所表記の正規化・標準化の難しさが話題になっていて、Twitterでも「日本の住所のヤバさ」というキーワードがトレンド入りしたそうです。

私はこの辺りの専門家ではないんですけれども、地理には以前から興味がありました。なので、こういう機会を捉えて学んでいきたいと考え、参加しました。実際、知らないキーワードが沢山出てきたんですけれども、想像以上にこの分野が進んでいて驚くとともに、もっと積極的に関わって行きたいと思わされました。

私が構築に関わった情報システムでも住所や位置情報というのは結構扱ってきました。代表的なものでは、特定の種類の施設を検索する機能を作ったことがありまして、現在位置から半径何キロメートル以内にある施設を近い順に表示するというものなんですが、これをSQLで実装したのは良い思い出です。

あとは、金融関係のシステムに関わることが多かったので契約者の住所ですよね。これは名寄せの問題とか、郵便番号での検索なんかをよくやりました。ただ、郵便番号から住所を検索する機能は自作しようとすると結構ハマるんですよね。なので、サービスあるいはデータを買ってたような気がします。しかも、郵便番号データって時々変わるので、適切にメンテナンスしないといけないという煩わしさがあります。

そういう経験もあって、今回の座談会の内容は個人的に結構刺さりました。一番の問題は住所表記の揺れの問題。同じ住所を表すのに複数の表記があり得るので、この住所とこの住所が同じかどうかを機械的に判別するのが難しい…ということです。スッキリする解決策は今のところなさそうですが、行政もこの問題については徐々に対策を進めているという話が聞けたのは収穫でした。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


あと、なるほどと思ったのが「住所は人の情報であって場所の情報ではない」ということ。住所が必要とされるようになったのは郵便配達のためで、Aさんに手紙を届けたいと思った時、Aさんの住んでいる所(まさしく住所)の情報が必要になるということのようです。そしてその情報は(緯度経度のような)座標ではなくて建物を表しているのだということです。面白いですね。

それでも昔の日本だったら、Aさんに物を届けたいという時、家の座標を知らなくても集落の名前さえ分かれば、とりあえずその集落に行って、住人の誰かにAさんの家を尋ねれば、誰に聞いても答えてもらえるような環境だったと想像します。そして、日本の住所の階層構造は、そういう探し方に適した構造だとも言えますね。だから全国一律ではなく、その土地の文化に根付いた住所表記になっているのでしょう。

この座談会は結論を出すというものではなかったのですが、2時間ほどのイベントに参加してとても楽しかったですし、解決に向けて取り組んでいる方々がおられることを知って嬉しく思いました。私自身もこの分野をライフワークの候補として考えて行きたいと思います。



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