プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
アメリカ現地時間の3月5日に、マイクロソフト社がMicrosoft Learnの「Windows Subsystem for Android(WSA)」ページにお知らせを掲載しまして、WSAのサポートを終了すると発表しました。
Android 用 Windows サブシステム
Windows 11向けAmazonアプリストアのサービス終了について(2024/3/5 Amazon Appstore Developer)
これは何かというと、そもそもWSAというのは Windwos 11 上で Android 用のアプリを実行するための基盤(サブシステム)でして、簡単に言うと Android のアプリが Windows 上で動かせるよという理解でよろしいかと思います。この仕組み自体は2021年に発表されたものなんですが、3年を待たずに唐突に終了しました。(私が見落としていただけで事前の終了予告はあったのかもしれませんが…)
もうちょっと具体的に Android アプリを Windows 11 の端末で使えるようにする仕組みについてお話しすると、まず、Windows で使いたい Android アプリを「Amazonアプリストア」に登録します。一方の Windows 側では Microsoft Store から「Amazonアプリストア」のアプリをインストールします。そして、「Amazonアプリストア」から先ほどの Android アプリをインストールするという流れです。
今回、マイクロソフト社がWSAのサポートを終了したということで、アプリはすでにダウンロードできなくなっているようなのですが、今回のサポート終了までにアプリをインストールしていた人は、1年後の2025年3月5日まではそれらのアプリを利用できるそうです。まあ、それくらいの猶予は欲しいですよね。
それにしても、今回のお知らせはかなり唐突感があります。しかもお知らせの扱いが小さいですよね。そもそもどれくらい利用されていたのかも不明です。本来なら公式ブログとかプレスリリースを出してもいいようなものですが、そこまでする必要が無いくらいの利用状況だったのかもしれませんね。
確かに、3年前に「Windows で Android アプリが動く」というニュースを聞いた時、歓迎の声を私の周辺では聞いた記憶がありません。誰にどんなメリットがあるのだろうと首をかしげたものです。当時パッと思いついたのは、開発に使えるのかな?ということでしたが、アプリストアに登録したものしかインストールできないとなると、開発中の未完成品は動かせないということですよね。
※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。
似たようなプラットフォームに「Windows Subsystem for Linux(WSL)」というのがあります。これは Linux のプログラムを Windows 上で動かすための基盤ですけれども、こちらは開発環境としても使えるのでエンジニアにとっては利用シーンは多いと思います。
そもそもこの「Android アプリを Windows 上で動かす」という実装はどのような意図で企画されたものなのでしょう。少なくとも私にはあまりメリットが感じられませんでした。それだったら、Apple社がそれを許してくれるかは分かりませんが、Macintosh のアプリを Windows 上で動かせる仕組みの方がよっぽど大歓迎されるのではないかと思います。Macintosh でしかリリースされていないアプリも結構あるので、アプリストアのアプリしかインストールできなかったとしても利用者は多そうです。
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