キノコ鑑定はネットだけで大丈夫?都内の食中毒事例から学ぶ

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

9月28日に、東京都保健医療局がプレスリリースを出しまして、毒キノコによる食中毒発生の発表とキノコ狩りに関する注意喚起を行いました。

毒キノコにご注意を!毒キノコによる食中毒の発生(2023/9/28 東京都保健医療局)

プレスリリースによると、食中毒の発生自体は9月18日で、消防から警察、警察から保健所へと連絡が回ったようです。具体的な発生経緯としては、新宿区内に住む4人家族が埼玉県内の公園でキノコ狩りをしたそうです。それを自宅に持ち帰って夕食でそのキノコの炒め物を食べたところ症状が発生して救急搬送されてしまいました。その後、東京都健康安全研究センターがその家族の家に残っていたキノコを検査したら毒キノコだったということです。

この家族がキノコ狩りをしに行った公園というのが、そういうキノコ狩りが一般的にできるように整備された公園なのか、それともそうではなくて勝手に生えているキノコを採りに行っただけなのかは分かりませんが、プレスリリースによるとインターネットの画像検索を使って、これは食べられるキノコかどうかを判断して採取していたそうです。ということは、自生しているキノコを採りに行ったという感じなんでしょうね。

それから画像検索機能というのが、これも推測になってしまうのですが、スマートフォンで写真を撮影して、その撮影した画像を添付して、その画像についての情報を検索するという機能だと思われます。確かGoogle検索にそういった機能がありましたよね。

仮にその機能を使って検索したとしましょう。問題のキノコの写真を撮影して検索しましたと。その結果、何のキノコだと判定されたのかが気になりますね。ただ、一般的な検索機能って結果が複数出てきますよね。そしてそれらのすべてが全く同じ情報ということはまずありません。複数の検索結果を見比べるとちょっとずつ違っていたり、場合によっては全く違うということすらあります。

そういうちょっとずつ異なる、あるいはまったく異なる複数の結果を見比べて、普通の人はどうするかというと、自分が気に入った結果を採用します。そうじゃないですか?普通はそうだと思うんですよね。今回の場合は少なくとも間違った情報が検索結果に含まれていたということになります。

プレスリリースには、今回の食中毒の原因になったテングタケの写真が掲載されていて、傘の周りに付着している白いイボのようなものが特徴なんですが、補足としてイボが取れてしまっていることがあるので、テングタケだと思わずに食べてしまわないようにということです。もしかしたら、この家族が検索に使ったキノコの写真は、イボが落ちてしまったものである可能性もありますね。そうだとすると、複数の検索結果で迷ったというよりは、明確に別のキノコだと断言できるような検索結果だったかもしれません。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


続けてプレスリリースには「図鑑の写真や絵にあてはめて、勝手に鑑定しない」「インターネットの画像検索でも確実に鑑別することはできません」と警鐘を鳴らしています。画像検索だと検索結果が複数出てきますが、スマートフォンのアプリで草花の写真を撮影するとAIの画像認識でそれを判別して名前を返してくれるというサービスがあります。でもそれらのアプリのレビューを見ると、結構間違った結果が返ってくる場合があるようです。残念ながらAIを使ってもその程度です。

それだったら、自動回答ではなく人力にはなりますが、写真を撮影してアップロードすると専門家がそれを見てキノコの名前と食べられるかどうかを返してくれるようなサービスの方が安心ですね。1件当たり、あるいは1日当たりいくらで課金して、専門家には回答数に応じて報酬を払うようなスキームだったらどうでしょう。

私自身は山菜とかキノコとかよく知らないので採りに行くことはないんですけれども、よく知らなくても採りに行きたいという人はいると思うので、知識のある人を帯同させることができないという場合には重宝するかもしれません。



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