ITコーディネータの吉田聖書です。
ここに来て
再び議論が沸き起こってきた
サマータイム。
みなさんはサマータイムの導入に
賛成でしょうか、反対でしょうか。
2020年東京オリンピックの酷暑対策として
急遽議論の俎上に
上がってきたサマータイム。
来た来たという感じですね。
実は以前にもサマータイムについての
記事を書いたことがあります。
→ サマータイムか、企業版サマータイムか
この時は東日本大震災が発生した年であり、
日本の全ての原発が停止し、
さて、真夏の電力需要をどう乗り切るか
という文脈の中で
(つまり節電対策の一つとして)
サマータイムの議論が沸き起こったのでした。
その時は結局、
社会制度としてのサマータイムは導入されず、
計画停電などの電力会社による対応で
何とかその年は乗り切ったのでした。
今回のサマータイムの議論において
IT業界を中心に反対論が多く見られます。
私はシステム構築の経験上、
一番不具合が発生しやすい箇所は
日時(日付と時刻)に関する処理だと
感じています。
それは、仕様においても
認識の齟齬が起こりやすく、
プログラミングにおいても
日時の処理は癖があるからです。
西暦2000年問題、和暦の改元問題でもそうですが、
サマータイムの導入というのも
日付と時刻にまつわるテーマですので、
実際にシステムで対応するのが
口で言うほど簡単ではないというのが
専門家でなくても想像に難くないと思います。
だからといって
ただ反対するだけでは
進歩がないと思いますので、
仮に導入するとしたら
どうできるかを考えてみましょう。
私は2つ考えてみました。
(1) 時計は変えずに見た目の日時だけ変える
1つはシステム内部の時計は
現在のまま変えずに、
画面に表示、あるいは帳票に印字する
日付と時刻だけはサマータイムに対応させる
というものです。
いわゆるユーザインタフェースだけを
対応することにすれば、
システムの根幹への影響は
最小限に抑えられる可能性があります。
思い切ってシステム内部は
UTC(協定世界時)で運用して
画面や帳票などのユーザインタフェースを
現地時間で表示するというのもありです。
グローバルなシステムでは
もしかしたらすでに
この方式を採用しているかもしれません。
(2) 夏だけではなく冬も含めた全体の時計を早める
賛成論の中でよく言われるのが、
夜の時間まで明るいから
その分余暇が楽しめるというものです。
中にはそれによる経済効果というのもあるでしょう。
逆に反対論の中でよく言われるのが、
時計が変更されることによって
体内のリズムが狂い、寝不足など
体調に悪影響を及ぼすというもの。
その両方を解決してしまうことはできないでしょうか。
夏に遅くまで明るくて嬉しいのであれば
冬だって遅くまで明るい方が嬉しいですよね。
少なくともその恩恵(があるのだとすれば)を
夏に限定することの意味があるのでしょうか。
ですから、夏だけ時計を早めるのではなくて、
冬も含めた一年中の時計を早めたらどうでしょう。
そうすれば夏時間と冬時間の切り替えに伴う
健康リスクやシステムへの影響を無くすことが出来ます。
これもまた別の課題はあるかと思いますが、
そのように考えると何もサマータイムに拘らず、
UTC+10とかUTC+11という標準時を
日本標準時として採用する――つまり
日本全体の時計を1、2時間早めることを
サマータイムと併せて
検討してみたらよいのではないでしょうか。
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