ブランチ事例を発表させていただきました・その2

昨日22日(月)に西新宿でTOCfEの月例勉強会に参加いたしました。今回は途中からの参加となってしまいましたが、いくつかブランチとクラウドの事例発表があり、私もブランチの事例を発表させていただきました。

私が発表したブランチは3回シリーズの2回目ということで、前回のご指摘を踏まえて何度か書き直したものを発表いたしました。今回の準備に当たり気が付いた点は、一旦寝かせて忘れた頃にもう一度読み直すとおかしな点に気が付きやすいということです。やっぱり作りたてほやほやの時は気持ちも高まっているのでこれでいいと思ってしまいやすいのですが、一旦頭を冷やすことで客観的に捉えることができるのですね。ブランチ自体はもう数か月前に一度作ったものなのですが、何度も改訂に改訂を重ね、少しおいて前日にもう一度見直して最後の仕上げを行いました。

その甲斐もあってか、前回グダグダだった分、今回は割と本質的なご指摘を頂けたのではないかと思います。内容が、プロジェクトの反省会で出た意見を論理的に整理したという性格上、全体的に多少散漫なところは否めないのですが、論理的な抜け漏れは前回に比べて少なくなったかなと思っています。

なんで私がこのブランチを描いているかというところをお話しすると、経験上どう見ても普通に終わることができるはずのプロジェクトがふたを開けてみたらそうならなかった・・・という現実があって、じゃあなんでそうなってしまったんだろうというのを個人的に整理したかったからです。プロジェクトの反省会ではそれぞれの意見というか思っていることをぶつけ合ったという側面が強く、根本的な原因をみんなで探ろうというところには至らなかったんですね。私は外部の立場で関わっていますが、もしかしたら内部の方々にとっては自明のことなのかもしれませんし、今のところはその辺りを特に公の形では追究していません。

そうは言ってもこうやって自分なりに分析して発表することで、第三者の立場のご意見を伺うことができるというのは得難いことであります。一方で、同じ業界に身を置いている方々にとっては多少なりとも共感できる部分が多かったようで、そういった感想を頂けたことで私も今回準備して良かったかなと嬉しくなりました。

次回は3回シリーズの最終回ですが、その前に京都の研修がありますね。まだ1カ月先ですけど、今から楽しみにしています。


ブランチ事例を発表させていただきました

昨日21日(金)に西新宿でTOCfEの月例勉強会に参加いたしました。今回の事例発表はクラウドが2名、ブランチが私を含めて3名でした。

今回なるほどと思ったのは、自動製氷機のタンクに浄水を入れてはいけないというブランチ。私は何も考えず(もちろん冷蔵庫の取説も読まず)浄水をせっせと汲んでいたので、今度からは水道水を入れようと思います(笑)。とはいっても実は、これはまずいのではとうすうす感付いてはいました。だって氷がいっぱいの時はタンクの水が全然減らないんですから。

さて、一方で私が発表したブランチは、私が過去に実際関わったシステム開発のプロジェクトにおけるUDE(UnDesirable Effects)についての原因を追究するというもの。皆で大変な思いをしてなんとか終了したプロジェクトですが、その後の公式な反省会を踏まえて私が個人的に作成したものです。全体を一つのブランチにすると大きくなり過ぎるので、生産性、品質、マネジメントという3つのテーマについてそれぞれブランチを作成し、今回は生産性についてのブランチを発表しました。全部で3回のシリーズで発表させていただく予定です。

私はもちろん全体像を知っている状態で発表しているのですが、聴いている参加者の皆さんは最初のブランチしか見せられていない状態だったので、かなりもやもやさせてしまったようです。「なぜ3つに分けたのか」という質問も受けましたが、この勉強会は参加者がそれぞれ課題を持ち寄るので時間が限られており、かつ、この勉強会で発表することを前提にしていたので最初から分けてしまったのです。次回はその全体を俯瞰した図を1枚追加しようと思います。

ブランチは、作っているときは自分の中でうまくつながっているように思えるのですが、やはり状況を知らない(つまり余計な情報を持たない)人に見てもらうことで、論理的につながっているかどうかを純粋に検証できますね。


制約理論先進国の事例に圧倒!

日付は変わってしまいましたが、本日、西新宿でTOCfEの月例勉強会に参加してきました。いつものような事例発表もあったのですが、今日は特に、海外での事例を紹介してくださった方がいました。

例えば、ポーランドでは幼稚園でTOCfEの使い方を教えていて、例えば単純なブランチとしては、童話などの物語を読み聞かせて、物語の進行に合わせた挿絵をカードにしたものを物語の順番に並べさせるといったことをしているようです。そしてなんと驚いたことに、幼稚園の先生たちが簡単に教えられるように、TOCfEのツールを教えるためのキットが作られているということで、今日は実物も見せてもらいました。(残念ながら写真を撮り忘れたので、どこかで入手できたら後日掲載したいと思います。)

このキットはレジャーシートの素材にツールのフレームが描かれているもので、水や汚れに強く、多少乱暴にしても壊れにくく、持ち手がついているので持ち運びにも便利になっています。興味せていただいたのはブランチのシートとクラウドのシートでした。書かれている言葉はさすがにポーランド語なのだそうですが、間もなく英語版が発売されるとか。日本語版、作ろうかな…。というか、ある意味言葉を書かなければ、それだけで万国共通になると思うのですが。

さて、日本がTOCfEが上陸してまだ3年なのに対して、こういったTOCfEの先進国というのはもう20年近く取り組んでいるのだそうです。教育現場、特に幼児教育の現場には当たり前のように定着しているようです。日本ではまだそういった取り組みは盛んではありません。ということはまだまだこれから日本は良くなっていく可能性があるということなのかもしれませんね。


クラウド事例を発表させていただきました

4月8日(月)に西新宿でTOCfEの月例勉強会に参加いたしました。これは先月初めて参加させていただいた集いなのですが、その時はどんなことをやるのか知らないままに誘われ手ぶらで参加したところ、参加者の皆さんの事例発表があまりにも素晴らしく、私も自己完結した事例ではなく相手がいる状況で実践した事例を作りたいと思わされたのです。その日、家に帰って早速クラウドを試してみて、紆余曲折はあったものの丸く収まり、今回その成果を発表させていただきました。

私は基本的にグローバルオプティマム社の飛田さんに教わっただけですのでよく知らなかったのですが、クラウドにもいくつか流儀があるのだそうです。クラウドを描くときに「AであるためにはBである必要がある」と読み上げるのですが、それに加えて「なぜならば・・・」とその前提条件を続ける方法もあると。方法もあるというよりは、少なくとも意識はしていた方がうまく行きそうではありました。次はそのようにやってみたいと思います。

もう一つアドバイスを頂いたのはDとD’の書き方。今回私が試したのは最初は主語がはっきりしておらず、そのことに途中で気が付いて明記するようにしたというお話をさせていただきましたが、DとD’に限らずBとCも主語(誰の立場なのか)を明記した方が認識のずれが発生しないということでしたので、これも次回はそのようにやってみたいと思っています。

私以外に数人の方が発表されたのですが、TOCfEの全てのツール(クラウドとブランチとアンビシャス・ターゲット・ツリー)について万遍無く事例があり、私にとって大変濃度の高い勉強会となりました。特にブランチ。これは済んでしまったことですが、一度ブランチを描いて因果関係を分析したい題材があるので、時間を作ってチャレンジしたいと思います。

どんよりバイバイ!ターゲットツリー

本日は第6回TOCfE調布塾に参加してきました。これは毎月1回で全6回開催されるTOCfEのワークショップなのですが、私は最近知ったので最終回にして初参加となりました。

私自身これまであんまり意識していなくて、今日改めて認識したことなのですが、TOCfEつまり「教育のためのTOC」というのはいわゆるTOCから派生した別のものなのだそうです。TOCのツールについてはスタッフの方は「本家TOC」という言い方をされていました。

今回のワークショップで学ぶ思考ツールはアンビシャス・ターゲットツリー。一見すると達成し得ないと思われるような目標を達成するための道筋を付けるためのツールです。3~4名で1つのグループを作り、イソップ童話の「アリとキリギリス」を題材にターゲットツリーの演習を行いました。

この題材が面白く、ある保育士さんが保育園で園児たちにアリとキリギリスの話をして、キリギリスはどうすれば良かったかというような問いかけをしたところ、園児の一人が「キリギリスはアリと結婚すれば良い」と発言したことをヒントに、「キリギリスがアリと結婚する」という目標を設定したのです。演習ではこの目標に対して障害となる事柄を列挙し、それぞれの障害に対してそれが取り除かれた状態を中間目標として書き出します。次に中間目標を優先度順に並べ替え、さらに必要に応じて中間目標を達成するための行動を書き出していくという手順で進めました。

それぞれのグループに分かれて演習を行ったところ、列挙された障害と中間目標がグループ間で異なり、しかもそれぞれに説得力があって面白かったです。もっとも、今回は演習用の題材だったのでちょっとおふざけな内容になりましたが、最後は一人一人のリアルな課題に対してターゲットツリーを試す時間があり、演習としては個人的に身のあるものになりました。まだまだ使いこなすには練習が必要なレベルですが、他のツールと合わせて活用していきたいですね。

TOCfE勉強会に参加してきました

本日は、TOCfE勉強会に初めて参加してきました。TOCfEというのは「教育のためのTOC」というコミュニティがあり、その関東地区の定例勉強会のようです。(正直まだ詳しくは把握できていません)

これまでも何度か述べたように、TOC自体には10年来「ザ・ゴール」をはじめとするゴールドラット博士のシリーズで触れていたのですが、1年前、CCPMのセミナーを受講したことがきっかけで本格的にTOCを理論から実践に移行する段階になりました。ですので、こういった勉強会には今後も積極的に参加していきたいと考えています。

さて、今回初めて出席させていただいてまずビックリしたのが、参加者の皆さんそれぞれが既にクラウドなどのTOCの思考ツールを実践され、それを持ち回りで発表し、また、その発表に対して活発なディスカッションが行われていることでした。これはTOCを勉強している身にとっては楽しい。

その題材もリアルで、例えばクラウドであれば「職場は住居の近くが良いか、遠くが良いか」「理系の学部生に英語を基礎から教えるべきか、論文など応用から教えるべきか」といった対立であったり、また、ブランチであればロシアに隕石が落ちたことと、2000人ほどが怪我をしたことの因果関係を紐解いていったりと、気が付くといつの間にか私も一緒になって意見を交わしていました。

顔ぶれを拝見した限りは、どちらかというと仕事との関係が有る無しに関わらずTOCに興味を持っている人たちが集まっているといった印象でした。初めて参加したにも関わらずいきなり議論に参加できたのはそれこそ思考ツールの威力なのかもしれません。


教育のためのTOC 日本支部

JSDG第19回研修会(東京)無事盛会のうちに終了しました

昨日16日、JSDGの第19回研修会が東京で開催されました。テーマは「『本当のWin-Winソリューションは存在するのか?』シスアド、ビジネス・リーダーのためのネゴシエーション力育成ワークショップ」と題して制約理論(TOC)に基づいた対立解消のプロセスを学ぶワークショップを行いました。会場は日本オラクルの本社があるオラクル青山センターのセミナールーム。こういった研修会が頻繁に開催されている会場のようです。今回、私は幹事の一人として、またワークショップのお手伝いをするサポータの一人として参加いたしました。

会場は終始和やかで盛り上がりました

思考プロセスのツールにはいくつかありますが、今回の研修会ではその中でも「クラウド」と呼ばれる対立を解消するためのツールです。参加者の中には「クラウドコンピューティング」の研修会だと思って来られた方も散見され、実際よく間違われるそうなのですが、TOCのクラウドの方が20年も前に生まれたという由緒があるのです。このクラウドは対立解消図(Conflict Resolution Diagram)とも呼ばれ、CRDと略しても呼ぶようですが、ゴールドラット博士の著書の1つ「ザ・ゴール2」にも登場したのでご存じの方も多いのではないでしょうか。

TOCの思考プロセスを学ぶということで講師はグローバルオプティマム社の飛田さん。この1年間で私は飛田さんにお会いする機会が増えて個人的にはすっかり馴染んでしまいました。先日行ったサポータ向けの勉強会は、この研修会のために訓練するものでしたが、やはりその成果なのか参加者の方々の描かれたクラウドを見ていると「ああ、ここはこうした方がいいな」というのが見えるようになっていました。ただ、それをストレートに伝えてしまうとせっかく本人が考えようとしている姿勢を踏みにじってしまうことになりますので、あくまでもテキストに忠実に質問を繰り返し行い、ヒントのみを与えて答えは本人に導き出していただくということを心掛けました。

さて、研修会そのものの進行は、最初にJSDGという組織の紹介から始まり、飛田さんにバトンタッチして講義と演習を行い、クロージングセッションを経て、最後は参加者全員によるリレースピーチといった流れで行われました。会場のレイアウトもワークショップということでいわゆるスクール形式ではなく島形式の配置を行い、1つの島に2~3名で腰掛け、1~2つの島に1名のサポータが付きました。演習の時は私も2つの島のサポートを担当しましたが、参加者の理解度がそれぞれ違う中でどこまで適切なサポートができたかわかりませんが、それぞれの方が成果を受け止めておられたように思います。特に最後のリレースピーチは、参加者それぞれの気付きを全員で共有でき、自分だけでは気付かなかったことに色々と気づかせてくれました。

こういった研修会は今後も積極的にお手伝いできたらと思っております。私もまたザ・ゴール2を読み返したくなりました。


本当のWin-Winソリューションは存在するのか?

ホワイトボードを使って説明する飛田さん

昨日はJSDGの勉強会が霞ヶ関のとあるビルで開催され、参加してきました。今回の勉強会はいつもの研修会と異なり、来月16日に開催する東京研修会でファシリテータとして奉仕するメンバーの訓練の場として企画されたものです。私は今回の東京研修会の幹事の一人ですが、当日もファシリテータとしてご奉仕させていただきます。

研修会のテーマ(公表されているタイトルとは違いますが)は「対立の解消」です。ビジネスの現場に限らず、プライベートでも少なからず対立は起こります。その対立をロジカルに解決するためのツールを実践できるようになっていただくためワークショップ(演習)形式としました。

そのツールとは、故ゴールドラット博士が提唱している制約理論(TOC)における思考プロセスの一つ「対立解消図(CRD)」です。講師はTOCではいつもお世話になっているグローバルオプティマムの飛田さん。今回は10名強の参加者で実際に演習を体験しました。

原理はとてもシンプル。手順に従って問題点と解決策を図示していきます。始めに、言葉が上達していない4歳児でもイラストを使って実践したという例も紹介されました。参加者からもいくつか題材を出し、意見を出し合うなど対立が解消されていく様を皆でシェアしました。飛田さんがお話しされた中で圧巻だったのは、とある高校の女子テニス部を劇的に強くさせたという例。人や組織ってわずかなきっかけでこんなに変われる可能性を持っているんだということを再認識しました。

詳しくは研修会に参加して実際に体験していただきたいと思います。残席わずかですがまだ参加を受け付けております。


日本システムアドミニストレータ連絡会
第19回研修会 詳細情報
http://www.jsdg.org/public/contents/seminar/kensyu19/top.htm

今年も横浜中華街での新年会に参加してきました

中華街

この門をくぐるたび一年という時間の流れの早さを感じます

本日はJSDGの新年会が開催されまして、今年も参加してきました。関東での新年会は毎年横浜中華街の梅林閣というお店で行われ、なんと今年で10回目になるそうです。もちろん参加できない年もあるのですが、やはりここに来ると新年だなぁという気持ちになります。大体いつも20~30名くらいの出席者があります。梅林閣で中華のコースを食した後、横浜ベイシェラトンへ移動してスイーツという流れが出来上がっています。いつも中華でお腹いっぱいになるのでここ数年は2次会は辞退していたのですが、今回は特別話したかった話題があり、急きょ最後まで参加することにしました。

さて、話したかった話題というのはJSDGのメンバーで持ち上がっているちょっとした企画についてです。そろそろ正式に立ち上げようとしていまして、内容についてはもうちょっと煮詰まったらお知らせしたいと思いますが、弊社のミッションの一つでもある「育成」をテーマとした企画です。JSDGは、今は無くなってしまった上級システムアドミニストレータという国家資格の合格者が集まって作ったコミュニティで、――資格区分が消えてからも活動を続けているのですが――なにしろ意識の高い人の集まりでもあるので、そういった方々と単に意見交換をするだけでなく、具体的に企画をするというのはとても刺激になりワクワクするものです。

また、当初話したかった内容以外にも、例えばネットでも話題になっている元投手の桑田真澄氏の体罰論や、部下を褒めるということなどの教育・育成関連のテーマ、また、ユーザとベンダの対立、日本のITビジネスモデル、システム再構築での「あるある」などのIT業界関連のテーマで盛り上がり、充実した新年会となりました。


第4回・炎上PJから学ぶセミナー開催報告

昨日、11月18日(金)に「第4回 炎上PJから学ぶセミナー」を開催しました。会場は東京都立産業貿易センター浜松町館です。朝は晴天とはいきませんでしたが、寒すぎず爽やかな気候でした。

2011111801午前の第1部は前回同様にWBSの作成方法と活用方法について学ぶプログラムです。私が実際に経験したデータセンターの移転プロジェクトを基にしたシナリオを用意しました。そしてシナリオのある時点において、そのシナリオに登場するリーダーになったつもりで実際にWBSを作っていただきました。

次に、テーブルごとにディスカッションを行いました。WBSを作るに当たってどのように考えてWBSを作成したか、あるいは普段はどのようにWBSを作っているか、どのような点で苦労しているかなど、講師、参加者それぞれの考えや体験を共有しました。

今回は前回と違って初めてWBSを作るという方が見えた一方で、普段からWBSを使っておられる方も見えて、演習で書き出される内容にもその違いが見て取れました。それだけに説明もどこまで噛み砕くかという点で腐心しましたが、運営側にとっての課題も浮き彫りになりました。

2011111802また、不本意ながら、午後予定していた第2部については人数の都合上、開催を見送ることにいたしました。演習が効果的であるためには適正な人数があるので難しいのですが、合意形成というのはプロジェクトの中でも重要なテーマですので、是非別の機会に実施したいと考えております。

尚、次回は年明けの予定です。これまでとはまた違った展開になりそうです。今後ともよろしくお願いいたします。