ITコーディネータの吉田聖書です。
マネジメントをサポートするという職業柄、
管理職・マネージャー職の方から
業務上の様々な課題について相談を受けます。
相談の内容は様々ですが、
現状ではやや行き詰まりを感じており、
どうにかしたいと思っておられる方ばかりです。
ITコーディネータの吉田聖書です。
マネジメントをサポートするという職業柄、
管理職・マネージャー職の方から
業務上の様々な課題について相談を受けます。
相談の内容は様々ですが、
現状ではやや行き詰まりを感じており、
どうにかしたいと思っておられる方ばかりです。
ITコーディネータの吉田聖書です。
実は今、聖書の研修の為にドイツに来ています。
会自体は昨日終わりまして、
あと数日滞在した後に帰国する予定ですが、
今回はそこで感じたことの一部をお伝えしたいと思います。
ITコーディネータの吉田聖書です。
「管理」という仕事はよく誤解されているのではないか
と思うことがあります。
ラインの管理職だったり、
「ナントカ管理」と呼ばれる業務であったり、
ごく普通に使われるにも拘らずです。
ITコーディネータの吉田聖書です。
以前、ある管理職の方から
「技術的な」課題が山積しているので手伝って欲しい
ということで、紹介を受けて支援に入った時の話です。
ITコーディネータの吉田聖書です。
プロジェクトにおいて、計画段階で作成するスケジュールは地図のようなものです。それがあるからといって困らないとは限らないけれど、無ければ困ったことになる確率が高くなる――だから大抵の場合はスケジュールを作るし、上司から作れと言われます。でも意外と会社ではスケジュールの作り方って教わりません。だから、もしスケジュールの作り方をマスターすれば、より自信をもって仕事に取り組むことができます。
今年最初の投稿で、ビジネスモデルキャンバス(BMC)とバリュープロポジションキャンバス(VPC)を弊社のビジネスに適用した事例をご紹介しました。その中で、ビジネスモデルキャンバスについてはテンプレートとそれぞれの要素について触れましたが、とバリュープロポジションキャンバスについては詳しく触れなかったので、今回改めて取り上げたいと思います。
私が学んだ範囲では、バリュープロポジションキャンバスはビジネスモデルキャンバスほ補完する機能を持ち、セットで活用すると効果的だと考えています。それはなぜか。
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あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
ふりかえると2016年は弊社にとってちょっとした転換点だったかなと感じています。というのも7月と9月に参加したITコーディネータのフォローアップ研修にてビジネス・モデル・キャンバス(BMC)とバリュー・プロポジション・キャンバス(VPC)という2つのツールに出会い、これらのツールを使って弊社のビジネス(サービス)を見直すことができたからです。7月に受講した時の感想は「ビジネスモデルキャンバスの威力を体験してきました」というタイトルで記事を書かせていただきましたので合わせてお読みいただければと思います。
これまでの弊社のビジネスとして掲げていたものは次のようなものでした。
これらは実績として充分であるものの、見えるサポートの粒度としては細かく現場寄りであり、これまでお付き合いのなかった範囲にもアピールしようとこれまでにも「ITリベンジ」「ITかかりつけ医」「情報システム・ドック」といった「サービス」という別の切り口でアプローチを試みました。それでもそのサービスを届けたい相手にうまく訴求できていなかったのではないかと感じており、ここ数年はどうしたものかと頭を捻ってきました。
ところが、ビジネスモデルキャンバスとバリュープロポジションキャンバスの演習を通して(元々提案営業のための研修で、顧客のビジネスを整理するためのツールとして紹介されたものだったのですが)これは自社のビジネスを整理するのに使えそうだと思い、試行錯誤の末、以下のようなサービスに落とし込みました。これらのサービスの具体的な内容についてはリンク先をご参照いただければと思います。
実際に演習でも題材とし、演習後に真っ先に整理したのが前半の2つです。「プロマネの右腕」についてはサービス名だけはもう5年以上も前に考えていたものですが、具体的に深く掘り下げて内容を考えるということはできていませんでした。後半の2つは実は元々「ITかかりつけ医」というサービス名で展開していたものでしたが、ビジネスモデルキャンバスとバリュープロポジションキャンバスを使って整理していったところ、1つのサービスの中にやりたいことが2つ含まれていたということに気づき、2つのサービスに分けました。おかげでサービスの輪郭が明確になりましたが、こういうことが出来たのもツールの威力ではないかと感じております。
ところで、ビジネスモデルキャンバスがどういうものかというと、以下のようなフレームに書き込んでいくだけの簡単なツールです。これで整理することによってビジネスがきちんと回るかということを検証でき、自分がどのような価値を提案できるのかということを棚卸できたのは良かったと思います。後になって見直しが必要になった際にもベースの資料として活かせますね。
それぞれの箱の意味は以下の通りです。頭の中にあるビジネスモデルの要素をこのフレームに沿って書き出していきます。すんなり書き出せない箇所はまだ検討が不充分だったり、見直す必要がある箇所だということが判ります。
なお、これらの成果をその研修の講師にフィードバックしたところ、昨年末にブログの記事にしてくださいましたので、こちらも是非お読みいただければと思います。そんなこと言ったっけ…?といった私の発言にまで気に留めてくださり、講師の視点を知ることが出来て勉強になります。
行動につながる学び方 ~アイディアを可視化し、他人に伝えてブラッシュアップする~
http://katsuyo-nakao.blogspot.jp/2016/12/blog-post_31.html
これまでWBSの必要性やたびたび議論される話題を取り上げましたが、今回は、前回述べた「プロセス・マッピング」を使ったWBSの作成方法をご紹介します。
私が初めての現場で最初にWBSを作成する場合には、全ての成果物あるいは作業を洗い出すためにプロセス・マップというものをまず作成します。プロセス・マップを作ることをプロセス・マッピングと呼びます。私がネットで調べた限りではプロセス・マップについて決まりきった型は無いように見えました。少なくとも業務プロセスを図示して見える化したものを指していると思ってもらえば良いです。
よく見かける業務フロー図もそのひとつです。定常業務の業務改善ではプロセス・マッピングにより現状の業務を全て書き出して問題点を見つけるというアプローチを取ります。しかし、プロジェクト業務の場合は(似たようなプロジェクトを繰り返し実施するというケースはあるでしょうが)基本的には初めてやることなのでゼロベースで作成することになります。
ゼロベースと言ってもプロジェクトのゴールは決まっているわけですから、ゴールをまず明記します。例えば何かのサービス開発だったら「カットオーバー(あるいはゴーライブ)」というのがそれに当たりますね。決まりきった型は無いと述べましたが、私が使うときには独自にルールを設定しています。ルールとはいえ記法というよりは考え方のルールです。より良い考え方があればどんどん改良して構いません。尚、記法についてはDFD(データフロー図)の記法を拝借しています。
このようにするとDFDとPERT図を組合わせたような図が出来上がると思います。参考までに過去に私が作成したプロセス・マップを説明用に改変したものを掲載します。これは私があるプロジェクトに途中から参画した時に、メンバーにヒアリングしながらホワイトボードに描いたものです。実際にはここに担当者や期日などが書き込まれたりしましたが、これによりプロジェクトメンバーの意識を合わせることができ、期日に間に合うか見えていなかった案件を無事に完成させることができました。
尚、この後このプロセス・マップを工程別あるいはマイルストーン別に区切って整理し、ガントチャートを作成します。本当に小規模なプロジェクトであれば(先ほどのサンプル・プロジェクトもそうでしたが)ガントチャートに書き換えずにこのまま進捗管理をしてしまうことも可能です。余談ですが、定常業務にこれを適用し、作図したものをさらに担当者別(あるいは部門別・会社別)にスイムレーン式に整理すると業務フロー図になります。
WBS作成の流儀は様々あるでしょうが、まだ作り方がよく分からないという方は是非参考にして、自分なりの作り方を確立していただければと思います。
前回に引き続き、WBSを作成する際に議論される問いについて考えます。
次に「項目は作業を分解したものか、あるいは成果物を分解したものか」という問いがあります。これは粒度に比べたらあまり話題に上がって来ない印象があって、私が作成するものも含め、いろんなWBSを見ていると同じレベルの項目の中に作業と成果物が混在しているものを見かけます。が、これはよくよく考えるとおかしな話です。そもそも作業は動詞であり、成果物は名詞だからです。これは単に文法的に語尾がどうなっているかというレベルの話ではなくて、作業は手段ないし過程であり、成果物は目的ないし結果です。だから基本的には作業と成果物が同列に並ぶということは無いのです。
プロジェクトというのはある目的の達成のために計画されるものです。従って、最終的に欲しいのは結果の方であって過程ではありません。とはいえ、成果物の名称だけ書かれていても、それを見た人が具体的な作業をイメージできなくて困るというケースもあるでしょう。だからつい作業を書いてしまったり、必要に迫られて作業を書くというのも止むを得ない話だと思います。そういう場合のひとつの方法として、「成果物を生み出す作業」を表記するやり方があります。
例えば、「調査」という項目があったとします。これは作業です。よって成果物が表現されていません。こういう時には「調査報告書の作成」という項目にしてしまいます。こうすることで成果物がイメージできるようになるし、調査報告書を作成するための「調査」の作業そのものもそこに包含されることになります。「調査」活動そのものが「調査報告書」という目的のための活動と明確に位置づけることができるわけです。
そうはいってもやはり成果物の作成という名目の作業だけで全ての項目を定義するのに違和感を覚えるという意見もあるかもしれません。そもそも成果物は作業の結果得られるものであって独立したものではありません。それにある作業の成果物(アウトプット)が別の作業のインプットになるものです。なので最初はWBSの形式に囚われずプロセス・マッピングを実施するようにしています。プロセス・マッピングとは一般的には業務プロセス定義の局面で用いられる手法のようですが、業務を構成するプロセスとプロセスの関連を業務を定義する目的で図示したものです。(そのバリエーションのひとつに業務フロー図があります。)通常は定常業務に対して適用するものですが、それをプロジェクト業務にも応用します。
プロセス・マッピングについての詳細は別の機会に譲りますが、このツールにより作業と成果物をネット状に繋げて全ての項目を洗い出すということをします。定義したプロセスに抜け漏れが無いことが担保できれば、WBS上に記載する項目が作業であろうと成果物であろうとあまり関係ありません。プロセス定義があればスケジュール表としては冗長な項目も慣れてくれば省略して記載しても構いません。要は「言われた通りに作るもの」ではなく「管理する人が管理しやすく、かつ抜け漏れがないもの」であれば良いのです。
5年前「炎上プロジェクトから学ぶセミナー」というタイトルのプロマネ向けの講習を友人の会社と共同で開催し、それからだいぶ経ちました。それ以来私は、参加者のアンケートなどを基に「より効果の出るテーマは何か」と考えてきました。その結論の一つが「WBSの作成」です。前回の記事で「なぜWBSを作成しなければならないか」について述べましたが、WBSは簡単そうに見えるためか、きちんと作り方を教わることも無いまま作らされることが多いように感じています。そこで、私なりのWBSの作り方を書き留めておきたいと思います。あくまでも私のやり方ですのでこれが正しいやり方というわけではありませんが、必要としている方にとって少しでも参考になればと思っております。
さて、WBSの書き方・作り方の前に、「誰がWBSを作るべきか」という問いがあります。「WBSを作れ」と言われてもその必要性を認識していなかったり、仮に必要性を認識していたとしても(以前お伝えしたように)「見える化」しないタイプの人は全く作らないか、なんとか誰かに作らせて少なくとも自分は作らないで済まそうとするのではないでしょうか。
しかし、今のところ私の考えでは、複数の会社が関わるならそれぞれの会社で、複数の部門が関わるならそれぞれの部門で作成すべきです。もっと分かりやすく言えば、全体で1つではなく、管理の単位(便宜的にチームと呼びます。きっと組織の文化によって呼称は異なるでしょう。)それぞれに1つずつのWBSがあるべきです。(もちろん社内の小さなプロジェクトなら1つあれば充分ですね。)そして、チームリーダーの責任でWBSを作るのが良いと考えます。何故ならWBSは、自分のチームが作らなければならない、あるいは実施しなければならないことをまさに網羅的に表現したものだからです。
だから、自分たちの作るべき成果物、やるべき項目を漏れなく列挙し、実作業の責任者としてそれをスケジュール化します。もちろん他のチームと連携しなければならない項目についてはマイルストーンの摺り合わせも必要ですが、基本的には他のチームの作業はそのチームが管理すべきことと考えます。だから他チームの作業そのものを項目化するのではなく、作業に係る他チームとのやり取りを項目化して、期日を両者で合意すると良いでしょう。
次に「どの粒度まで表現すべきか」という問いがあります。これは私も良く訊かれますし、他の人が訊かれているのを耳にしたこともあります。それだけ答えを探してもなかなか見つからない問いなのだと思います。中にはあらゆる作業、あらゆる成果物を細目に落とすべきといったアドバイスもネット上で見かけます。私もこれといった答えを持っているわけではないのですが、これだけは言えます。それは「管理する人が管理しやすい粒度で」ということです。項目が大まか過ぎて日々の状況把握に耐えられないようではいけないし、逆に細か過ぎて全体が俯瞰できなくなったりメンテナンスの負荷ばかり高くなっても本末転倒だからです。最初から完璧なWBSは作れなくても、慣れてくればその辺りのサジ加減は会得できると思います。
また、対象のプロジェクトや、そのプロジェクトを実施する組織によってその管理のやり方も異なってくるでしょうから、画一的な「正解」に凝り固まらない方が良いのではないでしょうか。WBSをきれいに作ることが目的ではないし、まして管理することが目的でもないのです。まったく初めての取組みであって勝手が分からないようなケースは本当に検討事項の一つ一つまで細かくしないと危ないかもしれないし、類似のプロジェクトを経験していればそこまで細かいと冗長さを感じることもあるでしょう。そこはWBSを利用する本来の目的に合わせて柔軟に粒度を調節できることが望ましいと考えています。
より具体的な作り方に関する問いについては次回に続きます。