「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」カレン・フェラン 著

何とも過激なタイトルに惹かれてつい手に取ってしまいました。最初は懺悔の手記かと思ったのですが、そうではなく(一部は懺悔もありますが、実際に潰したということではないようです)著者自らがコンサルタントとして携わった失敗事例と成功事例とに基づく研究の成果をまとめた本です。

世の中にはビジネスモデルや経営理論といったもので溢れており、状況によってはフレームワークとか、ソリューションとか、メソッドとか呼ばれることもありますし、コンサルファームに在籍していなくてもある種の資格試験に出題されることもありますので、それらのうちいくつかは知っているという方が多いと思います。ただ、例えば3Cや4Pなどの名前や内容は知っていても、それらが生まれた背景まで辿って理解している人は少ないかもしれません。(私だけでしょうか。)

本書は次のようなテーマを扱っています。

  1. 戦略計画
  2. 最適化プロセス
  3. 数値目標
  4. 業績管理システム
  5. マネジメントモデル
  6. 人材開発プログラム
  7. リーダーシップ開発
  8. ベストプラクティス

本書はこれらのモデルや理論の欠点をあげつらって溜飲を下げるための本ではありません。本書を読む限り、少なくとも1回はそれらのモデルや理論は効果を表し、成功を収めたものがほとんどです。ポイントはそれらのモデルや理論が「いつでもどこででも効果的」というわけではない点です。

モデルや理論の適性や、状況を見極めずにそれらを適用した場合にどのような悲劇が起こるかという悪いシナリオが事実に基づいて記されています。最後には、クライアントの立場で物を考えずに闇雲にベストプラクティスを当てはめようとするコンサルタントを避けるように警鐘を鳴らして締めくくっています。

これらのモデルや理論がうまく機能するためには。それぞれいくつかの前提条件があります。それらの前提条件が満たされていなければ当然ながらそれらに基づく活動は失敗します。前提条件の中には業種や業態といった固定的なものから、事業規模や従業員といった流動的なものまであります。

うまくいかなかった失敗事例では、単なる事の顛末の記録に止まらず、何故うまくいかないのか、その理由について分析しており多くの示唆を与えてくれます。また、それらのモデルや理論に頼らずに(むしろモデルや理論の方針とは正反対のことを実施して)成功を遂げた例も豊富に記されています。モデルや理論があくまでも「型」に過ぎないのだということを再び想起させてくれます。

2週間くらい前に買ってから既に2回通読しましたが、これからも度々読み返そうと思います。


書名:申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
副題:コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする
著者:カレン・フェラン
訳者:神崎朗子
発行:大和書房/2014年3月30日
ISBN:978-4-479-79433-2

自分の部屋へ引っ越そう!~「ヘヤカツ」のススメ~

引越しをすると、しばらくは物も少なく片付いていて、とってもシンプルで洗練されたライフスタイルを送ることができるのですが、漫然と暮らしているうちに物が徐々に増えていき、小奇麗だった部屋がいつの間にか散らかっていて気分が滅入るという経験はないでしょうか。特に社会人で独り暮らしだと、平日は仕事なので帰って寝るだけ、休日は寝ているか遊びに行く…というルーチンを続けていると、部屋が多少散らかっていても特に困ることはないのですが、ふと気づくと片付けようにもどうにも身動きが取れなくなっています。私は幾度か引越しを経験していますが、引越しというイベントの持つ独特の「リセット」感覚はなかなか得難いものがあります。

今回ご紹介するのは「部屋を考える会」というコミュニティが著作した「部屋を活かせば人生が変わる」と、その続編の「部屋を活かせば頭が良くなる」です。最初のうちは、一時期流行った「断捨離」や片付けメソッドの類かと思いましたが、そうではなくてあくまでも「部屋を活かす」という視点に立った活動、すなわち「ヘヤカツ」について、その手法と効果を紹介しています。

なぜ部屋が散らかるかというと、掃除しないから。なぜ掃除しないのかというと、掃除しにくい家具の配置だからということで、まずは掃除しやすいような家具配置にしましょうということを薦めています。「人生が変わる」「頭が良くなる」というのは言い過ぎではないかと感じましたが、満腹の時には何を食べようかとは考えないのと同じで、空間が満たされていればそこを満たそうとは思わないが、隙間が空いていればそこを何で満たそうかと脳が自然と働くということのようです。だから本棚も押入れも全てギチギチに詰め込むのではなく、7割ぐらいに留めておくのが良いようです。

そうなるとどうしても入りきらなくて溢れてしまうものが出てきます。でも、数年間使ってないものは必要のないものと割り切って、本当に必要なものに絞り込むというプロセスに取り組むと、意外と必要のないものが炙り出されてきました。よくあるのが「もしかしたらまた必要になるかも」という気持ちですが、必要になったらまた調達すればよいですし、本当に必要なものまで手放す必要はありません。ここは別に唯一の正解があるわけではないので、自分に合うやり方で取り組むのが良いのではないかと思います。

冒頭で、引越しのリセット効果について触れましたが、実際に引越しをしなければならないとしたらお金も時間もかかってしょうがないのですが、同様の効果を出す方法として「自分の部屋へ引っ越す」という考え方を提唱しています。何のことはない、ある部屋の家具を一旦別の部屋に移して、まっさらな状態から家具を再配置していくのです。引越しと違い、一区画ずつ再配置を繰り返していけばよく、これであれば新しい物件を探したりする手間もかかりません。自宅でもまさにこの取組みを始めているところです。

この本の良いところは、一人の著者の単なる独りよがりな提案ではなく、コミュニティの中で研究したアイデアについて実践した結果を、さらにフィードバックして磨き上げていった具体的なノウハウとなっているところです。「頭が良くなる」というのは一理あるとは思うものの科学的な根拠は分かりません。が、そこは本書の本質ではないです。本当に豊かな生活、豊かな人生とは何かを改めて考えさせられる本です。

—-

書名:部屋を活かせば人生が変わる
著者:部屋を考える会
発行:夜間飛行/2013年11月5日
ISBN:978-4-906790-05-0

書名:部屋を活かせば頭が良くなる
著者:部屋を考える会
発行:夜間飛行/2014年11月7日
ISBN:978-4-906790-13-5

横浜の中華街新年会にてIT業界を考えた

本日(校正している間に日付が変わってしまいましたが)、毎年恒例、JSDGの中華街新年会に参加してきました。去年はエントリーしておきながら(確か体調を崩してだったと記憶しています)ドタキャンしてしまったのですが、今年は無事に参加することが出来ました。しかも今年は中華街新年会としては過去最高の33名の参加がありました。

いつも色んな方と話が出来て刺激になるのですが、今回はたまたま隣席にいらしたITのコンサルタントとIT人材の話になりました。コの業界ではよく「ユーザ企業」「ベンダ企業」という呼び方がありますが、前者はITを利活用する企業で事業会社とも呼ばれることがあります。そして後者はITのシステムやサービスを提供する企業ということになりますが、アメリカ合衆国ではその従事者の割合が3:1なのに対し、日本では真逆の1:3であるという統計に基づく事実について教えていただきました。

その方に言わせれば「これじゃあ日本は勝てないよね」「技術者をユーザ企業に戻したい」ということになるのですが、少なくとも日本では過去に事業会社が情報システム部門を子会社化して切り離した経緯があり、その弊害が顕著であることは私自身も現場に出て肌で感じております。それに気付いている企業は既に内製化に舵を切っており、一度子会社化したシステム部門を本体に吸収した企業も知っています。以前も書いたかもしれませんが、そもそもSIというビジネスがもはやWin-Winの構造になっていないため、全てのユーザ企業が舵を切ればSIビジネスは消えるでしょう。そして舵を切らないユーザ企業はSIベンダと共に衰退していくと想像されます。

私自身もSIの仕事をしたことがありますし、SIの仕事をしている知り合いもたくさんいます。なのでなかなかこんな話はして来なかったですし出来ませんでした。でも、今日、このように話を伺い、きちんと考えておられる方がいると知って嬉しく思いました。

私は10年ほど前に、とある技術者コミュニティーに顔を出していたことがあり(数回限りでしたが)、とあるネットの記事を題材にこのテーマについて議論を交わしたことがあります。当時の私はまだバリバリの技術志向でしたから、アジャイルかウォーターフォールかという開発手法の話題として捉えていました。ところが、開発手法はビジネスモデルとも絶妙にリンクしていて、議論を交わしているうちにSIモデルはいつか終わるんだという認識を持ったものです。それ以来、どのようにこの業界でビジネスをやっていくかということを自分なりに考えてきました。

まだ明確な答えは見えていませんが、時々刻々と変化していくIT環境に合わせて、直接的であれ間接的であれ事業会社のサポートを行っていきたいと考えてきましたし、今もそのように考えています。内製化をしたいという企業があれば、それをうまくやるための方法を一緒に考えていきたいです。人とITとをつなぐ・・・ここは必ず押さえていきたいと思います。

(参考)
スルガ銀-IBM裁判から垣間見えた“SI時代の終焉”
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20120507/394881/

「アドラーに学ぶ部下育成の心理学」小倉広 著

一時期「モチベーション」という言葉が流行ったように感じた時期があるのですが、よく、教育や育成という文脈の中で、施す側であれば「褒めて伸ばすか、叱って延ばすか」、施される側であれば「褒められて伸びるか、叱られて伸びるか」という二者択一を見聞きします。そして「あなたはどっちのタイプ?」という問いかけが頻繁になされることによって「世の中にはその二択しかないのだ」という先入観を植え付けられてしまっていないでしょうか。例えば次のような問いがあります。どのように答えたらよいでしょうか。

あなたの部下もしくは後輩が、あなたの目の前で仕事を進めていました。見ると、明らかに要領の悪い間違ったやり方をしています。このままではミスが出るか、能率が悪く時間がかかってしまいます。そんな時、上司もしくは先輩であるあなたはどのように声をかけるでしょうか。

  • (A)『そのやり方はよくないね。こうやった方がいいよ』と教える
  • (B)失敗するかもしれないが、あえて何も言わずに黙っておく
  • (C)『もしかしたら、××のようなことが起きるかもしれないけど、その場合はどうする?』と未来を予測した質問をぶつけてみる
  • (D)『こんなやり方もあるけれど、どうかな?』と別の方法を提示して、それを採用するかどうかは相手の判断に委ねる

(本文より)

書名だけでは分かりませんが(カバーを見ると分かりますが)、本書は褒めない、叱らない(更に言うなら教えもしない)第三の育成方法を提唱しています。「そんなんで本当に育成なんてできるの?」と疑問に思いながら読み進めていくと、なるほどと思わず納得してしまう理由が書かれていました。考えてみると至極当たり前のことが書かれており、しかもどこかで読んだことがあったり、あるいは既に実践している方法だなと感じる部分も多くありました。ただし、それらは断片的であり、合理的な説明でもって体系的に整理できたという意味でも本書は読むに値するものであったと思います。

なぜ褒めても叱ってもいけないのか。この問いを考える時にふと思い出すことがあります。それはいつからか周囲が使い始めた「上から目線」という言葉。これは「あんたの物言いは上から目線だよ」という風に一種の侮辱に対する不満を表明する際に使われるように思います。「なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないんだよ」って思うこといっぱいありますよね。ああ、もしかしたらこの文章もそういう風に捉えられる可能性もあり気を付けたいと思いますが、人は上下関係において下に置かれようとされた場合にこうした不愉快な気持ちを抱くものではないでしょうか。そして「褒める」とか「叱る」というのはこういう自分が上で相手が下という関係を無意識のうちに作っている行為だということです。だから褒められても叱られてもダメだということなのだそうです。

そこで第三の方法とは、上から目線ではなく、相手と対等な関係を築き、相手を信頼するというものです。制約理論(TOC)を提唱したエリヤフ・ゴールドラット博士も「人は元々善良である」と主張しました。あれやこれや心配しなくても人はなんとか善くしようと心がけるものです。目の前の相手もその性質を帯びていると信頼するかどうか。「褒める」とか「叱る」というのはそういう本来人に宿っている善意を踏みにじる行為であり、そのような扱いを続けることでその人が本来持っている力を奪うことにつながるということなのです。

そうは言っても、簡単にできることではないと感じます。今まで「褒める」とか「叱る」という手段を意識して取ってきた人にとっては尚更でしょう。本書はアドラー心理学の考え方をベースにした部下育成のノウハウですが、単なる理屈ではなく著者の経験に裏付けられた実践のためのヒントが豊富に盛り込まれています。私も繰り返し読んで実践につなげていきたいと考えています。


書名:アドラーに学ぶ部下育成の心理学
著者:小倉 広
発行:日経BP社/2014年8月18日
ISBN:978-4-8222-5030-0

拙作ソフトが書籍で紹介されました!

拙作ソフトが書籍で紹介されました!

先日12/13に学研パブリッシングより発売された「エクセルパーフェクトテクニック350+α完全保存版」という書籍に「クロスラボラトリー」ブランドのソフトウェアが紹介されましたのでお知らせいたします。私にとってはちょっとしたクリスマスプレゼントになりました。

今回掲載されたソフトは、以前の「JPEG Image Filer」ではなく、Microsoft® Excel® のブックファイルの全シートの表示形式と表示倍率を揃え、かつ、全シートのA1セルを選択した状態にし、更にはブック中の先頭シートを選択した状態にする「Xls/xlsx File Unifier」というソフトウェアです。

「JPEG Image Filer」とは異なり、プライベートユースではほとんど使う局面はないと思うのですが、逆にビジネスユースではそれなりに使う局面があるのではないかと思っています。というのも、Microsoft® Excel® ブック形式のファイルを納品物や情報資産として利用する場合、ファイルを開いた時に不適切な位置が表示されてしまうと格好悪いので、ドキュメントの最後の仕上げとして体裁を整える作業を行うということがあると思います。そういった利用の仕方をする場合、対象のブックファイルが1つや2つではないので、それらを1つずつ開いて確認しながら直していくのは大変です。このアプリを使うことでその作業を軽減することができます。

「JPEG Image Filer」の場合は、いくつかのサイトが取り上げて使い方を紹介してくださっていますが(ありがとうございます)、「Xls/xlsx File Unifier」はそういったサイトは今のところ見当たりません。にもかかわらず、こうして書籍に掲載してくださったことはとても嬉しいことだと思っています。

この書籍は、データ分析やピボットテーブルなど、私もExcel®についてまだそれほど使いこなしていない機能についての解説も豊富で、せっかくなので私も本書を使って勉強してみようと思いました。Excel®は道具として使いこなせればビジネスでもかなり役に立ちますので、このような参考書をお持ちでない方は是非1冊手元に置いてはいかがでしょうか。

—-
書名:エクセルパーフェクトテクニック350+α完全保存版
発行:学研パブリッシング/2014年12月13日
ISBN:978-4056107302


講演・セミナーを円滑に進めるアイスブレイク

日付が変わってしまいましたが、昨日10日はIC協会の月例セミナーがあり、参加してきました。今回のテーマは「3分で心をつかむアイスブレイク」ということで、IC協会の会員でもあるマイソリューションズの山村祐里江さんを講師に招きワークショップを行いました。

アイスブレイクというと、講演やセミナーに全く参加したことない方にはイメージが湧かないかもしれないのですが、芸で言うと「つかみ」に当たる部分と言えば理解して頂けるでしょうか。つまり、参加者の緊張をほぐしてセッションを円滑に進めるためのテクニックです。講演やセミナーの中では脇役であるため普段なかなかフォーカスが当たらないものですが、私自身も数は少ないながら講演やセミナーで登壇した経験から、アイスブレイクは是非身に着けたいスキルであると感じていました。

私の中ではアイスブレイクも含めて事前に周到に準備しておくものと思っていたのですが、必ずしもそうではなくて、準備の不要なものであればネタのバリエーションをストックしておいて必要な時にアドリブで実施することもあるようです。何より、目的(セッションのテーマや参加者の属性など)に合わせてどんな手法を用いるかを選択すべきなんだなということを理解しました。

いずれにせよ、アイスブレイクは講演やセミナーの全体からすれば枝葉末節であり、まず考えるべきは講師自身がその時間・空間を楽しみ、笑顔で参加者と接することを心掛けるべきで、アイスブレイクはその延長線上において実施されて初めて効果があるものだということを認識しました。


ビッグデータはお試し期間から成果を出すフェーズへ

今日は日本ITストラテジスト協会(JISTA)関東支部のオープンフォーラムが開催されました。テーマは「ビッグデータとITストラテジー」ということで興味を持っていたものの参加を躊躇していましたが、直接お誘いを受けたため思い切って参加することにしました。JISTAには実は2年ほど前に入会はしたものの予定が合わずにイベントには参加したことがありませんでした。

さて、テーマにもあるビッグデータですが、このブログでも2年ほど前に取り上げたことがあります。もう2年も経ったのかという感もあるのですが、2年でどのように変わったのかが気になっていました。

基調講演の1コマ目は、日本航空 Web販売部の渋谷さんによるWebログ分析の事例紹介で、私もかつてWeb分析をかじったことがあるため理解しやすかったです。基調講演の2コマ目は、トーマツの矢部さんによるこれから求められるシステム担当者像についてのお話でした。その後、パネルディスカッションへと続いたのですが、全体を通して共通していたのは試行錯誤(トライ&エラー)によって道を切り開いていくということ。企業が置かれている環境によって経営課題も違ってきますし、当然その問題に唯一の正解は無いわけです。

今回の基調講演での事例がWebログ分析であったので余計にそうなのかもしれませんが、ビッグデータ活用って結局Web分析とどこが違うのって感じる方もいるでしょう。正直なところWeb分析の経験を踏まえて言うと実はそれほど変わりません。ただ、ビッグデータとWeb分析の違いは2つあって、1つは規模が格段に大きいということ。Webサイト運営というミクロな観点から企業経営というマクロな観点にシフトしてきているように感じます。そしてもう1つは応用範囲がWebサイトだけにとどまらず、家電や医療機器などのデバイスにまで拡がってきているということです。それは必ずしも単語が指示しているものの差異というよりは、経年による変化に過ぎないのかもしれませんね。

講演の中でもありましたが、兎角分析者や技術者は分析手法やツールにこだわったり、今既に蓄積されているデータを前提に考えたりするものですが、そうではなく、やはり戦略ありきで取り組んでいかないと役立つ分析結果は得られません。ITのスキルよりもビジネスが分かる人がデータ分析を牽引した方が、結果的にうまく行くようです。また、データ分析も一つの手段に過ぎないので、あくまでも経営課題が何であって何を戦略目標にするか、KGI/KPIを何にするかを明確にするというところがまずやらなければならないところであると理解しました。


ICとして生き抜く知恵とは

昨日27日(月)はIC協会の月例セミナーがあり、参加してきました。なかなかまとまった時間が取れなかったためフル参加としては約1年ぶりでした。4年続いた理事の体制が今年の8月に新しくなってから、私自身は初参加となります。今回のテーマは「共有したいICとして生き抜く10年の知恵~守り続ける5つのルール、3年ごとの節目、オンリーワンのブランディング」というタイトル&サブタイトルで新理事長の齊藤さんのご講演がありました。これまでにも何度か齊藤さんのお話は伺っていていつも影響を受けるのですが、今回もなるほどなと思わされたことがいくつかありますので、まだあまり整理できていないですがメモしておきたいと思います。

一三の法則を知ること

組織の構成員や店舗などの数に1とか3とかが付く時がオペレーション、つまり管理方式や仕組みを切り替えるタイミングたということ。1人が3人になった時、3人が10人になった時、というようなタイミングで現状の仕組みの限界が来るため、新しいサイズに適した仕組みを導入しなければならないということ。例えば数人のチームでやっていた時の運営方法が10人を超えると通用しなくなるというのは良く聞く話です。

誰かに引き継ぐことを前提に仕事をすること

これは自戒を込めて取り組まなければ課題だと認識しました。兎角目の前の仕事に専念しがちですが、一歩引いて仕組み化することを考えることでそれが更なる価値を生むということもあります。すぐに全てに対してということは難しくても一つ一つ引継ぎ資料などを整備していきたいと思いました。

アウトプットを決めてインプットすること

もっと若いころは闇雲に情報をインプットしていた感がありますが、やはりアウトプットがないとただの情報のシャワーを浴びただけになってしまいます。アプトプットを意識することで必要な情報が明確になり、それがフィルタの役割をして膨大な量の情報から必要なものだけを抽出することを可能にするのだそうです。アンテナを張るという表現もありますね。かつて齊藤さんの真似をして取り組んでみたこともあるのですが、アウトプットの最終形態に練り上げるまでに時間がかかってしまい長続きしませんでしたが、再チャレンジしてみようと思います。

3年周期を意識すること

何事も3年周期でとらえるようにすること。例えば一つのクライアントもそうで、ずっと同じことをやっていても当初の課題をやり尽くしてしまったり、お互いが慣れてマンネリ感も出てくるため、契約にもライフサイクルがあるのだということを認識しました。特に私のように外部の立場で組織の支援をする場合、長くいれば「外部の立場で」という部分がどうしても弱くなってくるので、新たな役割を担ったり別のテーマ設定をしない限りはやむを得ない事かなと思っています。

先輩プロワーカー方のお話しは実体験に基づいているだけに重みがあり、「自分も」と思わずにはいられませんでした。引き続き邁進していきたいと思います。

拙作ソフトが雑誌で紹介されました!

以前このブログでも書いた「クロスラボラトリー」ブランドのソフトウェアですが、本日10/24発売の日経PC21・2014年12月号にて紹介されましたのでお知らせいたします。

今回掲載されたソフトは、JPEG画像のExif情報に含まれる撮影年月日を利用して日付ごとのフォルダに振り分ける「JPEG Image Filer」というソフトです。最近のデジカメだとそのように撮影日ごとにフォルダわけしてくれるユーティリティが付属していると思いますが、古いデジカメに付属していたソフトではそのようなことが出来ず、カメラからPCに取り込んだ日付でしかフォルダを作ってくれなかったため、整理するのに困って作ったものです。普通のWindowsアプリではありますが、「クラウドで写真管理」という記事で紹介されています。

ところで、このソフトは特にこれといった宣伝活動はしていないのですが、気付いてみたら知らないうちにいくつかのフリーソフトの紹介サイトで取り上げられていて、しかも弊社で提示している説明よりも詳しく、かつ分かりやすく使い方や特徴を掲載していただいており、マイナーながら少しずつ利用者が増えてきているようです。それに伴い、サポートサイトやメールにて感想や要望を頂戴することが増え、徐々にではありますがリクエストに応える形で改良を重ねてきました。

必ずしも全てのリクエストにお答えできているわけではありませんが、
今後とも一層のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。


情報処理技術者試験の論文対策

毎年4月と10月の2回行われる情報処理技術者試験、IT分野の国家試験ということで業界では有名ですが、秋の試験まで残り2カ月を切ってそろそろ準備を始めようかなと思っておられる方も多いのではないでしょうか。特に論文試験のある区分を受けてみたいけれどどんな準備をしたら良いか分からないという方に向けて、参考になるか分かりませんが私なりの準備方法をお伝えしたいと思います。

参考書の選び方

論文試験の為に模試や講習を受けて対策する人は一定数いるでしょうが、そんなお金も時間も無いよという場合には対策本を買うことになると思います。どの参考書を買うか決めているという場合を除いて、駅ビルや百貨店に入っているような大型の書店に出かけましょう。選択肢が多ければ自分に合った参考書を見つけやすくなるからです。

参考書にはいくつか種類がありますが、個人的な分類はこんな感じです。
過去問…直近3年くらいの問題を掲載して解説しているものです。
教科書…試験範囲をテーマごとの単元に分けて詳しく解説しています。
問題集…過去問ではなく出題傾向に沿ったオリジナルの問題を掲載しています。
対策本…教科書タイプと過去問タイプの中間です。

時間とお金がたっぷりあってじっくり取り組みたいという場合には教科書タイプと過去問タイプを揃えるのが良いと思います。そもそも情報処理技術者試験をあまり受けておらず試験慣れしていない場合にはまずは過去問タイプで学習することをお奨めします。受験する区分の知識に乏しい場合には教科書タイプを使えば基本的な用語や知識を一通り習得できるでしょう。時間もあんまり無いのでてっとり早くやりたいという時には対策本がお奨めです。

それでもどれを買って良いか迷うとは思いますが、特に論文対策ということで言えば、私は経験上、著者の人数が少ない方を選んでいます。人には考え方のパターン(つまり癖)があり、同じ人が全ての解説を執筆していれば、その著者の思考パターンを身に着けることができます。すると、水戸黄門みたいに、どんな問題が出題されてもその思考パターンで論文を展開することができ、応用が利きます。ところが著者が多いと思考パターンにばらつきがあり、ある問題はある思考パターン、また別の問題は別の思考パターンで解説されているといったことが起こりやすく、試験対策どころか迷いが生じる可能性があります。

他に選ぶ基準としては、しっかりと出題傾向を分析できているものが良いです。あと、部分的に過去問を引用している場合は、昔の問題ばかりではなく最近の問題を積極的に取り上げている方が良いですね。参考書は毎年出版されますが、ちゃんと傾向に追いついて改訂しているかどうかが試されます。

論文の準備方法

参考書の中には、準備論文を書きましょうと奨めているものが結構あるのですが、私はいわゆる本番さながらの準備論文を作りません。何故なら労力の割に実りが少ないと考えるからです。準備論文を作ったからと言ってそのテーマが出題されるとは限りませんし、かといって忙しくてまとまった時間が取れない中で準備論文をいくつも書けないですよね。それよりも論文のネタになりそうなものをきちんと整理しておく方がよっぽど効果的です。ただ、章立て(アウトライン)を作る練習くらいは過去問で一通りやっておいてもよいでしょう。

私が論文対策としてやるのは実績(経歴)の棚卸です。試験区分にはそれぞれ人材像が設定されていますので、過去に関わった案件を該当する人材像の切り口で整理していきます。また出題のテーマも複数ありますので、どんなテーマだったらどの案件が使えるかという基準が変わってきます。ピックアップした案件をさらに掘り下げて、どんな案件なのかという概要を設問の(ア)に書けるレベルで説明できるようにします。実は設問(ア)だけはテーマに左右されにくいので論文として準備しても良いと思います。

未経験の区分でも合格することはできますが、だからといって全く関わったことのない架空の案件をこしらえるのはリアリティに欠けますしお奨めしません。実際に関わった案件の中で、受験区分に該当する役割を担った人がどのような動きをしていたかを想起すれば、自分の経験ではなくてもリアリティのある論文が書けます。この棚卸がしっかり準備できているかいないかで論文がスラスラと書けるかが決まってきます。ここはどんな参考書を使ったとしても関係ない部分ですし、短時間で出来るので忙しい人にもお奨めです。