「冷やし中華でいいよ」にムカついたら読む話

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

東京も梅雨入りしましたが
一方で暑い日も続き
お店でも冷やし中華を見かけるようになりました。

先日、ラジオを聞いていたら、
「妻から聞かれる『お昼何食べたい?』という問いにどう答えるべきか」
という悩み相談の投稿がありました。
そのコーナーはリスナーから相談を受け付け、
回答もリスナーから募集するというものですが、
これだけはNGという回答例として
「簡単なものでいいよ」とか
「冷やし中華でいいよ」というものが挙げられていました。
冷やし中華はサッと食べられるわりに
作るのに手間がかかるというのがその理由で、
ハムを切ったりすると確かに手がかかるよね
とパーソナリティの方も納得されていました。

私は深く頷きながらも、
ちょっと前にSNSで流れてきた
あるネット記事を思い出しました。

夫「簡単に冷やし中華でいいよ」と言われ、妻が作った反撃料理がすごい!

この記事はネタとは言え、
なかなかに衝撃的でしたが、
この一連の話を思いめぐらしたときに、
ああ、この手の話ってアプリ(ソフトウェア)の世界でもあるよなぁ
ということに気づきました。

つまり、オーダーする方は簡単に言うけど、
それってすごく手間がかかるよねっていう世界なわけです。

クライアントから
「○○○の機能をつけて欲しいです」
と言われたとします。
○○○の部分は、一見簡単に思える機能を入れてみてください。
例えば、マスタメンテナンスでもいいです。
検索機能とかレコメンド機能でもいいです。

本当にシンプルな機能であれば
確かに簡単に実装はできます。
でも、普通はそれで納得してもらえることはありません。
「ここは滑らかにアニメーションして」とか
「時間がかかる処理は砂時計みたいなのを入れて」とか
「ブラウザの戻るボタンは使えないようにして」とか
様々な注文が付けられます。
それが制約となって実装の難易度が上がるのです。

今は昔と違って、オープンソースなど
無償で利用できるライブラリも豊富ですし、
それがうまいことマッチすれば
実装の手間を削減することはできるかもしれません。
でもそのライブラリが本当に適合しているかといった調査や
場合によっては実際に簡単なプログラムを組んで
動かしてみるといった検証を行いますし、
複数のライブラリから1つを選択するなど
実装そのもの以外にもやることがあり、
そういうところが金額や日程に影響するのです。
しかも
「何でそんなにかかるの?」
と、理解してもらえないこともあります。

冷やし中華だって
具がモヤシだけでいいのであれば簡単です。
でも、
ハムや胡瓜を刻んで乗せて欲しいとか
薄焼き卵を焼いて細切りにして欲しいとか
様々な注文が付くと難易度が上がるわけです。

逆の立場になってみましょう。
プログラムを組んだことが無いと
どんな作業をしているのかについて
想像力を働かせることすら無理があります。

これを克服するには
何でもいいから自分も勉強して
プログラムを組んでみることです。
何もそれを公表する必要はありません。
自分で「簡単だ」と思える
単機能のアプリを作ってみましょう。
今は、以前と違って
開発環境が無償で入手できるようになりました。

そうやって実際に
実装することの大変さを体感すると、
「気軽に」あれこれと注文することはできなくなると思います。
少なくとも相当のリソースが必要であることが
理解できるようになると思います。

「そんなの簡単でしょ」と言いたくなったら
冷やし中華を思い出すと良さそうです。



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