ワーケーションは全体で推進するものではない

先週(7月27日)、政府が
ワーケーションの推進を発表したことで
ちょっとした騒ぎになっていますね。

私自身はワーケーションをやってみた経験から、
それ自体は良いものだとは思いますが、
国全体で推進するのは
ちょっと違うのではないかと思いまして、
その辺りのことを書いてみたいと思います。

このブログでも昨年、
ワーケーションについての記事を書きました。

ワーケーションがとっても良かった話

この中で、確かにワーケーションは良いものだと書きました。
私自身が一番メリットだと感じた点は
仕事と家族サービスが両立できることかなと思います。
どっちにもいい顔ができるという意味でです。

このように書くとイメージが悪いかもしれませんが、
私の仕事はエッセンシャルワークではなく
クライアントに対するサービスなので、
結果として仕事が回っていて価値を感じていただけるのであれば、
どこで仕事をしようが問題はないと思っています。

どうしてもリアルタイムでWeb会議をしなければならないのであれば、
時差があるところには行きづらいとか、
むしろ時差があった方が夜にできて便利とか、
色々制約はあります。
(そもそも今は行けませんけど)

一方で家族に対しては、
父親抜きで旅行に行ってもらったことは何度もありますし、
私が子供の頃もそのような旅行は何度も経験があります。
でも、子供と一緒に旅行できるのもそう長くはないですし、
かといって仕事に穴を開けたくないと考えれば、
ワーケーションというのは選択肢の一つとなり得ます。

勿論最初からそのように企画するものばかりではなく、
半年前から予約していて、仕事も休む予定でいたけれど
状況が変わって仕事をしなければいけなくなったというような場合、
全部キャンセルして日程をずらすとか、
妻子だけで行ってもらうとかいう選択肢もありますけど、
ワーケーションが可能なのであれば両立できることになります。

ただ、やはりこれは職種は限られると思います。
一時期「ノマド」という言葉が流行りましたけど、
そのように場所に捉われずに価値を提供できる職業でなければ
ワーケーションと言っても絵に描いた餅になります。

また、旅先に行って
結局フルタイムで仕事をしなければいけないのであれば
同伴する家族にとってもガッカリですよね。

エッセンシャルワークとかいわゆる現場仕事の場合、
勤務時間中はとにかく現場に拘束されて働くけれども
それ以外は全く自由というのが基本的なスタイルです。
(その必要がないのにそのように働かされている職場が多いことは承知していますが…)

そういうケースでは労災をどうするかとか、
勤務時間や休憩時間の管理の問題や
旅行に関する費用負担の問題など、
雇用契約上、労務上の問題をクリアしないと
全体でのワーケーションは難しいでしょう。
少なくとも、就業場所や通勤経路が決められ、
労働時間に対して給与を支払っている形態では無理だと思います。

一方で私のような働き方をしている人にとって
オンとオフの境界線はありません。
オフだと宣言することはありますが、
それはあくまでも外部に対しての話で、
自分の中では明確な区別はないのです。

だから、
「旅行先に行ってまで仕事をしたくない」
という人にはワーケーションはお奨めしません。
「旅行先に行ってまで仕事ができるなんて素晴らしい」
と言える人にこそ
ワーケーションは向いていると思います。

今後、本当の意味での裁量労働や
本当の意味でのジョブ型採用が増えていって、
みんなが時間に対してではなく
成果に対して賃金をもらうようにならない限り、
今回の推進も掛け声だけで終わるでしょう。

それでも政府が推進するというなら、
まずは省庁や自治体のオフラインの窓口を原則廃止して、
あらゆる役所の業務をオンラインにして欲しいです。
そして、役所からワーケーションを推進し
手本を見せてもらいたいところです。



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