GitHub が Subversion のサポートを1年後に終了

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

先月1月20日にマイクロソフト傘下の GitHub が公式ブログに記事を投稿しまして、ソフトウェア開発プラットフォーム GitHub.com での Subversion のサポートを2024年1月8日で完全に終了すると発表しました。

Sunsetting Subversion supportOn January 8, 2024, GitHub will remove support for Subversion.
(2023/1/20 GitHub, Inc.)

これは何かというと、まず、 Git という、一般的にはソースコードなどのファイルの変更時の断面を履歴情報として保存するためのバージョン管理システムと呼ばれるソフトウェアがあります。それはただのソフトウェアなので、どこかにインストールしないと使えなくて(もちろん自社とかチームでサーバを立ててもいいんですが)、 GitHub は代わりに Git のサーバを立て、利用者はアカウントを登録すればすぐに Git がサービスとして使えます。いわゆる SaaS とかホスティングサービスだと思っていただければよろしいかと思います。

そして、その GitHub は Git だけでなく、 Subversion という別のバージョン管理システムもサポートしていたんですけれども、ついに来年の1月でそのサポートを打ち切るということです。このニュースだけ聞くと「え?終わっちゃうの?」みたいに思ってしまいますよね。ただ、現在は GitHub のトラフィック全体に占める Subversion のリクエストの割合が0.02%未満だそうなので、このことによる影響は限定的だと言えます。

そもそも GitHub で Subversion をサポートした目的は、当時はまだまだ Subversion の方が主流で、 Subversion ユーザーにも GitHub を使ってもらって徐々に Git に移行してもらおうという狙いがあったようです。そして、もはや結果的にその目的はほぼ達成された(つまり Subversionを サポートし続ける意義は失われている)と判断してサポート終了を決めたようです。

今、どうなんでしょうね。私の周りではあまり Subversion 使っているっていう話を聞かなくなりました。自宅で、ちょっとしたファイルのバージョン管理では Subversion を使うこともありますけれども、ソースコードの管理は私も全てGitでやっています。特に最近は統合開発環境(IDE)が標準でサポートしているのがGitだったりするので、わざわざ Subversion のための環境設定をするほどのことでもないかなと思ってそうしています。正直なところ、 GitHub で Subversion をサポートしているというのをこの記事を読むまで知りませんでした。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


バージョン管理システムというと、私がIT業界に入った頃はマイクロソフト社の Visual Source Safe (VSS)というソフトウェアを使っていました。(その現場では Visual Studio で開発していたからかもしれません。)やはり複数人で同じシステムを開発していると、同じファイルを同じタイミングで修正したいという局面は多いですよね。なので、使い始めた当時は画期的だなと思っていました。ですが、 VSS は編集する時にロックをかけて、コミットするまでは他の人が編集することができないという排他制御を行っていて、たまに、メンバーがファイルをロックしたまま帰ってしまうということがありました。そうすると他の人の作業が止まってしまうので、それはそれで作業進捗上の問題になったものでした。

同じ頃に存在していたバージョン管理システムとして Concurrent Versions System (CVS)というものがありまして、そちらはファイルを編集するのにロックする必要がありませんでした。そこに CVS と似たようなソフトウェアとして Subversion が登場しました。どういうわけか私が関わるプロジェクトでは Subversion を採用しているところがほとんどだったので、私は CVS はほとんど触らず、 Subversion ばかり使っていました。

Git のメリットはやはり大人数で作業する時のワークフローでしょうね。 VSS や Subversion はみんな好き勝手にコミットできてしまうので、それでシステムが壊れてしまうこともあります。もちろんソースレビューで合格したものだけをコミットするというルールで運用すれば問題ないんですが、その業務の流れを機能としてサポートしているのが Git ということです。今後、 Git に取って代わるシステムが登場するとしたら、未だ解決されていない開発作業上の課題を解決する機能を備えたものということが言えると思います。



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