mineo広告フリー機能の理に適ったサービス設計

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

1月31日に、仮想移動体通信サービスmineoを提供している株式会社オプテージが、新サービス発表会を開催し、その内容をmineoのサポートサイトに掲載しました。

【A・D・S】新サービス発表会にて「マイそく」の新コースや新しい通話オプション「10分通話パック」、広告によるパケット消費を抑える「広告フリー」などの提供開始を発表しました!
(2023/1/31 mineoユーザーサポート)

サポートサイトのお知らせには、(発表が1月31日だったので、既に開始されているサービスもありますが、)今後展開する予定の新しいサービスがいくつか紹介されています。

その中で私が気になったサービスが「広告フリー」という機能です。これは簡単に言うと広告配信に使われた通信は課金しないというものです。月額固定の移動体通信サービスでは、例えば1か月当たり 3 GBytes のプランに加入していたとすると、月初からの通信データ容量の累計が 3 GBytes を超えると、通信速度が絞られるというのが一般的かと思います。その場合に、広告配信に使われた通信のデータ容量は、その累計にカウントしないというのが広告フリー機能です。

ちなみに、この広告フリー機能は、通信データ容量の枠で月額が決まるプラン(マイピタ)にのみ適用可能で、通信速度の最大値で月額が決まるプラン(マイそく)には適用できないようです。

これ、利用者目線で見ると良いなと思います。少なくとも広告を見たいと思ってWebサイトやアプリを利用する人っていないと思います。普段利用しているサイトやアプリの中に勝手に差し込まれるものに対して課金されるというのは確かに納得いかないですよね。もちろん中にはリワード広告みたいに、自分の意思で広告を見るケースもあるかと思いますが、それだって広告を見る行為に対するリワードであって、通信費を払ったリワードではないわけです。

どのようにこの仕組みを実現しているかというと、オプテージ社が独自に収集した広告サーバーのIPアドレスのリストを使っているということです。SNSの投稿やメールの形式で配信される広告は、いわゆる広告サーバーとの通信ではないはずなので、そういうのは広告だと認識されませんし、広告サーバーは当然新しく立てられるものもあれば廃止されるものもあるでしょう。そのIPアドレスのリストがどのくらいの鮮度を維持しているのかは気になります。ですので、どの通信が広告だったかという判定は完全にmineo側に委ねられています。その点は期待し過ぎないように注意が必要だと感じました。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


あと、この機能は無料なのですが申込が必要だということでして、無料だったら無条件で全契約に適用すればいいのにと思いましたが、本音のところでは新規契約者の獲得のためにはプッシュしたいけど、既存の契約者にはあまり利用して欲しくないのかなと勘ぐってしまいます。それだったらプラス50円くらいの有料制にしてはどうかと思いました。

このお知らせで連想したのは、私は利用していないのですが BIGLOBE の「エンタメフリー・オプション」です。これは月額(SIMの種類によって金額が変わります)を追加で支払うと、 BIGLOBE が指定した動画・音楽配信サービスでコンテンツを視聴しても、データ容量がカウントされないばかりか、月の上限に達していても対象のコンテンツの速度は制限されないというもので、ヘビーにストリーミングサービスを利用する人にとっては魅力的です。

今回 mineo で発表された広告フリー機能は、そういうものと比較してしまうとインパクトには欠けますが、とても理に適った機能だと思います。



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