プロジェクトオーガナイザの吉田聖書です。
これまで何度かプロジェクトマネジメントについて書いてきました。
しかし、プロジェクトによっては、
いったい誰がプロジェクトマネージャ(プロマネ)なのかが
ハッキリしないことがあります。
今回はこの状態について考えてみたいと思います。
プロジェクトマネジメントについて考える時に、
「そもそも誰がプロジェクトマネージャなのか」
という問題が浮上することがあります。
システムインテグレータ(SI)など
システム開発を受託しているような会社では
間接部門を除いてプロジェクト型の業務がほとんどであり、
案件ごとにプロジェクトが組織され、
プロジェクトマネージャ(プロマネ)が任命されて、
その人がプロジェクトマネジメントをやることになっていますし、
そう期待されていると思います。
ところが、事業会社の企画部門などで
企画担当者が企画を立ち上げ、
決裁を通して実施に至るまでの
全ての面倒を見るという場合、
その人が実質的なプロマネだということがあります。
また、開発の担当者や部課長ではなく、
仕事を取ってきた顧客窓口である営業担当者が
実質的なプロマネだということもあります。
では、いったい誰がプロマネなのでしょうか。
多くの場合、
組織の長が自動的にプロマネをやるのではなく、
実質的にプロジェクトのマネジメントを行う人を
プロマネに据えた方がうまくいきます。
プロジェクトマネジメントとは
スケジュールの進捗管理だけを行うわけではなく、
実に様々なことをマネジメントしていきます。
特に、人・物・金といった
リソースについてのやりくりが
中でも重要な仕事となります。
一般的に、企画担当者や営業担当者は
予算を持っていることが多いですよね。
プロジェクト内でリソースが不足し
現場から「人を増やしたい」と言っても
予算がなければ増員はできません。
だからもし、プロマネが
予算についての権限を持たないとすると、
プロジェクトマネジメントの権限を
持っていないに等しいことになります。
その場合は、予算をやりくりできる人が
プロジェクトマネジメントを行うべきです。
プロマネよりも
企画担当者や営業担当者の権限が強い場合、
プロマネがどんなに頑張っても
企画担当や営業担当の一存で否認されたりします。
それではプロマネは
ただの飾りでしかありません。
飾りならまだ良い方ですが、
無理難題を押し付けられ、
遅延などの責任を取らされては
たまったものではありません。
例えばプロジェクトがこのような体制だったとしましょう。
この体制図では
プロマネは営業担当を管理することが出来ません。
これはプロマネより営業担当の方が
権限が強いことを意味しています。
プロマネとは言いつつも、
制約が多くて
鎖につながれたような状態です。
これではプロマネは
職務を全うすることが出来ません。
営業担当をチームとして
他のチームと同列に置くか、
せめて次の体制図のような位置に置きましょう。
こうすると、他のチームとは区別されますが
プロマネが全体を統括することができます。
もしそれで営業担当者が困るのであれば、
営業担当者がプロマネをやるしかありません。
権限だけ持ちながら
管理責任を持たないというのは
健全な役職ではありません。
実質的なプロマネの位置にいる方は、
いや、自分は違うなどと言わないで
ぜひ自分こそプロマネだという認識をもって
業務を遂行していただきたいと思います。
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