コロナ禍を炎上プロジェクトに重ね合わせてみた

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

今月に入って子供たちの学校生活が徐々に始まりまして、
今日から分散登校でも分散授業でもない
本当に今まで通りの学校生活がいよいよ始まります。

3月の一斉休校から3か月、思えば長かったなと思います。
その間に働き方も随分変わってしまいました。
もっとも、緊急事態宣言が解除されたことで
揺り戻しがあって満員電車が復活したりしたようですが、
また感染者数が増えたりして一喜一憂している人も多いのではないでしょうか。

緊急事態宣言とか、外出自粛・休業要請とか、
東京アラートなどといったもので
人々の行動を引き締めたり緩めたりしています。
しかし、その基準がどうなのか、
基準を明確にした割には、
その運用がいい加減なのではないかと
思ってしまう部分もなくはないです。

こういうある意味行き当たりばったりの状況に対して
「けしからん」という声も聞こえてきますが、
そもそも、私たちにとって未知の状況である
という点ではプロジェクトに似ています。
しかも対応に追われるという点では
炎上していると言ってもいいでしょう。

プロジェクトには「独自性」という特徴があり、
完全に同じプロジェクトというのは存在しません。
つまり、プロジェクトには
「やってみなければわからない」
という部分が必ずあるということです。

だから、こうだと決めたことが、
状況が詳しく分かって来たり
環境が変化して来たりしたために
合わなくなるということがあります。
その場合、従来の決定を固持しても事態に対処できないのであれば
決定を変える必要があります。
もちろん関係者はその決定に振り回されます。

プロジェクトが炎上した場合、
QCDS(品質、費用、納期、スコープ)の
どれかを優先して、どれかを諦めなければなりません。
費用はいくらかかってもいいし、
納期は伸ばしてもいいから
スコープと品質は要求を満たして欲しい
というような具合です。
たまに、それでも全てを満たせ
という往生際が悪い人もいますが、
炎上している以上、無理なものは無理です。

感染症対策の場合で言えば、
感染者数を最小化するのか、
感染症による死者数を最小化するのか、
経済的理由による自死を最小化するのか、
など、目標の優先順位を明確にする必要があります。
バランスを取ることも大切ですが、
バランスを気にしすぎて有効な策が打てなければ本末転倒です。
偏った施策を打つのであれば、
別の施策でバランスを取るということもできます。
休業要請をしたら一方で充分な補償を行うなどです。
少なくとも「全てを優先」するという愚は避けたいところ。

炎上プロジェクトに関わった人は、
大変な思いをする一方で、学び、成長します。
そして次は同じ失敗をしないぞという決意を新たにし、
次のプロジェクトへと向かっていきます。
だから炎上しても良いと言うつもりはなく、
出来るだけ炎上しないように
常に学習していくことが求められるのです。

ロックダウンに意味があるのか、
外出自粛に意味があるのか
と問う声もあります。
全く意味がないということは無いでしょう。
しかし、今回の一連の対策を実施したことで
メリットだけでなくデメリットも見えてきました。
第2波、第3波が来た時
以前と全く同じ対策を取るということではなく、
対策をより効果的なものとするための努力を
怠らないようにしたいものです。



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