分かりやすい文書を作成する勉強会に参加してきました

昨日30日に文書作成ワークフロー体験会という勉強会に参加してきました。これは講師を務めたアイデアクラフト代表の開米さんが、普段から文書改善研修で使っているテキストを使って、実際に文書改善の演習を行うというものです。

イベントのタイトルに「ワークフロー」とあったので、最初は文書作成業の話なのかと思っていましたが、そうではなく、ある状況に対して行動を起こしてもらうまでの工程の流れの事を指していました。文書を書くのが苦手という人でも、そのワークフローのどこでつまずくかは人それぞれだということで、それぞれの工程での着眼点についても説明がありました。

開米さんもおっしゃっていたように、文書の改善に当たって必要な観点(ここでは打ち手と呼んでいましたが)それぞれの知識はごくごく当たり前のことばかりで、割とどんなテキストでも散見されるような内容です。ですので、話を聴いているだけだとなんとなく分かった気になります。

しかし、実際に演習で「分かりにくい文書」を読解して図示するという作業をしてみると、これがなかなか難しい。つまり、どういう場合にどんな観点でどんな知識を適用するかというのがポイントで、そこはやはり場数を踏まなければならないんだろうと感じました。同じ課題でも、人によって成果物が異なり、各人の意図が反映されていて、それらを見比べるのも面白かったです。

こういったスキルは現場の改善に大いに役立つので、自分も実践しながら周囲にも広めていけたらと思います。


アイデアクラフト
http://ideacraft.jp/

TOCの移行ツリーを体験してきました

時間切れとなったTrT

昨日24日(水)は「全体最適の行政マネジメント研究会」のフォローアップ勉強会にお誘いを受けて参加してきました。研究会本体に出てないのに(参加したかったけど予定があって叶わなかったのですが)フォローアップに突然お邪魔させていただきました。

これもTOCの勉強会の一つなのですが、私がいつも参加しているTOCfEではなく、いわゆる本家TOCの方の勉強会です。その名の通り、本来は行政に関わっている方向けの内容なのですが、私は全く関係なく参加させていただきました。

今日学んだツールは移行ツリー(TrT=Transition Tree)。本当はもう一つのツールであるミステリー分析の方に興味があったのですが、今日は残念ながら時間的にそこまでできませんでした。2時間の枠で3グループに分かれてグループワークを行いましたが、私がいたグループだけがいろいろと迷走した挙句に時間切れで完成させることができませんでした。それぞれ目的は異なっていたものの、「TOCを広めたい」っていう共通点があったように思います。

私は移行ツリーは初めてだったのですが、TOCfEでアンビシャスターゲットツリーを学んだことがあったため、最初から移行ツリーを使うというのはとても難しく感じました。やはりテキスト通りに前提条件ツリーから始めて移行ツリーにつなげていくやり方が良いんじゃないかなと(そうするとアンビシャスターゲットツリーと似たようなアプローチになりますしね)。あるいは、私のいたグループが掲げた目標が、移行ツリーを適用するには大き過ぎたのかもしれません。

ワークショップの後は会場を移して食事をしながらの反省会。ここでもYWTMというツールを使って振り返りをしました。YWTMってなんだって二日前にも質問したんですが忘れてしまってまた同じ質問をしてしまいました。で、YWTMとは、

  1. Y…やったこと
  2. W…わかったこと
  3. T…次にやること
  4. M…メリット

を順に挙げていくというものです。これをやることで単に反省するだけでなく、次の行動につなげることができ、振り返りの手法としては素晴らしいなと思いました。これだけでも参加した甲斐があったなと思います。


IC独立10年の節目

昨日23日(火)はIC協会の月例セミナーがあり、参加してきました。ちょうどIC協会が設立10周年を迎えるのにちなんで、今回は「IC独立10年の節目」でグループディスカッションを行いました。実は私も現在独立して10年目でして、途中で法人化したために勘定が変わっちゃってますが、今年の9月で10周年を迎えます。

最初は理事の久保さんと中村さん、お二人とも独立10年目なのですが、それぞれこの10年の総括を発表してくださいました。その中で取り組んできたこと、あるいはこれからの課題など、非常に具体的にわかりやすく説明してくださいました。そのお二人の発表を受けて、理事の齊藤さんがさらにまとめてくださいました。

この後ディスカッションしたのですが、私は独立した時の年齢が若かったせいもあってか、あまり何も考えずになんとなくここまでやってきてしまったところがあり、やっぱりまだまだだなあと思わずにいられませんでした。とはいってももうここまで来てしまったので前に進むしかないわけですが、皆さんの意見を聞いて私も真似してやってみようと思ったことを書いておきたいと思います。

それは、

  • 10年間の軌跡をまとめる(売上やクライアントなど環境の変化も)
  • 種蒔きはとにかく続ける(芽が出るまで3年かかるらしい)
  • 売上目標の見える化をする(定期的に眺める癖を作る)
  • 何事も3年サイクルで考える(これは不思議と共通点)

といったことです。

あとは齊藤さんの「3年後には他の人から何て紹介されたいか」という問いはブランディングのきっかけとして本質的な問いだなと思わされました。これは全員が発表するということになっていたので、いま改めてどうなんだろうと考えてみました。私はこれまで「技術者」として紹介されることが多かったのですが、これからはそれよりも「ITで困ったらアイツ」と言われるようになりたいですね。


ブランチ事例を発表させていただきました・その2

昨日22日(月)に西新宿でTOCfEの月例勉強会に参加いたしました。今回は途中からの参加となってしまいましたが、いくつかブランチとクラウドの事例発表があり、私もブランチの事例を発表させていただきました。

私が発表したブランチは3回シリーズの2回目ということで、前回のご指摘を踏まえて何度か書き直したものを発表いたしました。今回の準備に当たり気が付いた点は、一旦寝かせて忘れた頃にもう一度読み直すとおかしな点に気が付きやすいということです。やっぱり作りたてほやほやの時は気持ちも高まっているのでこれでいいと思ってしまいやすいのですが、一旦頭を冷やすことで客観的に捉えることができるのですね。ブランチ自体はもう数か月前に一度作ったものなのですが、何度も改訂に改訂を重ね、少しおいて前日にもう一度見直して最後の仕上げを行いました。

その甲斐もあってか、前回グダグダだった分、今回は割と本質的なご指摘を頂けたのではないかと思います。内容が、プロジェクトの反省会で出た意見を論理的に整理したという性格上、全体的に多少散漫なところは否めないのですが、論理的な抜け漏れは前回に比べて少なくなったかなと思っています。

なんで私がこのブランチを描いているかというところをお話しすると、経験上どう見ても普通に終わることができるはずのプロジェクトがふたを開けてみたらそうならなかった・・・という現実があって、じゃあなんでそうなってしまったんだろうというのを個人的に整理したかったからです。プロジェクトの反省会ではそれぞれの意見というか思っていることをぶつけ合ったという側面が強く、根本的な原因をみんなで探ろうというところには至らなかったんですね。私は外部の立場で関わっていますが、もしかしたら内部の方々にとっては自明のことなのかもしれませんし、今のところはその辺りを特に公の形では追究していません。

そうは言ってもこうやって自分なりに分析して発表することで、第三者の立場のご意見を伺うことができるというのは得難いことであります。一方で、同じ業界に身を置いている方々にとっては多少なりとも共感できる部分が多かったようで、そういった感想を頂けたことで私も今回準備して良かったかなと嬉しくなりました。

次回は3回シリーズの最終回ですが、その前に京都の研修がありますね。まだ1カ月先ですけど、今から楽しみにしています。


過去と今のコミュニケーション

また久しぶりにデータベースの話をしたいと思います。前回は「論理削除か物理削除か」というテーマで記事を書いたらそこそこ反響がありました。こういったテーマは実際にDB設計に関わっている方でないと刺さらないのだと思いますが、そのうち入門者向けの話題も提供したいと考えています。

IDの採番方式

さて本題ですが、今回はIDの採番において私が実際に遭遇したトラブルについての話です。そもそも採番という言葉が一般的ではないのかなと思っていますが。というのも普通にPCで「さいばん」と打っても変換されないので、新しい現場へ行ってPCが貸与されると大抵この単語を辞書登録するからです。英語で言うと numbering が近いのでしょうか。別の言い方をすると発番あるいは番号の払出しといったところでしょうか。

利用するDBMS製品によってはIDの列に自動採番の属性を付与することで済ませるケースもありますが、多少癖もあるので緻密な運用を行いたい場合は自前で実装することになります。実装と言ってもそんなに難しいことはなく、IDが連番であることを利用してその最大値に1を足したものを新しいIDとするだけなのですが、その方式によっては注意が必要です。

これは設計者の好みの問題もあるのですが、テーブルの行数を見積もった時に、まあ普通に取り扱える規模であれば毎回最大値を計算して1を加算しても大した負荷にならないので私はその方式を良く使っています。一方で最大値を計算するのが負荷となるほどの行数が見込まれる場合は、本テーブルの他に最大値を管理する採番用テーブルを作ってそこで管理するケースがあります。

ちぐはぐなロジック

ある現場でデータの移行を実施した時のことです。ファイルに用意したデータ件数と、実際に取り込まれたデータの件数が1件だけ異なるという事故が起きました。あまり細かい話をしてもしょうがないのでざっくり書くと、そのシステムはWEBアプリケーションで、移行はバッチアプリケーションでしたが、両社でIDの採番方式が異なっていたためにWEBアプリで作られたデータを1件バッチで上書きしてしまっていたということが判明しました。

具体的には、WEB側では、採番用テーブルのIDに1足した番号を新しいIDとして本テーブルのレコードを作成し、その番号で採番用テーブルのIDを更新していたのですが、一方のバッチ側では、採番用テーブルのIDを使って本テーブルのレコードを作成し、そのID+1の番号で採番用テーブルのIDを更新していたのです。つまり採番用テーブルの番号が「使っている値の最大」なのか「次に使うべき値」なのかという解釈において相違があったわけです。

例えば、WEB側でIDが1~5までのデータが作成されていたとします。そこへ移行バッチでデータを追加すると本当は次のレコードのIDは6番でなければいけないのですが、採番用テーブルのIDが5番であるために追加するレコードのIDを5番としてしまい、すると結果的に既にある5番のデータが上書きされてしまうという事象が発生してしまいました。

鍵はコミュニケーション

この話の留意点は、どっちの方式が正しいかという議論ではないというところです。よくありがちなコミュニケーション不足、検討不足の症例です。要はどちらかのやり方にもう一方が合わせていれば全く問題の無かった話です。

また、これが実際に起こった時には、移行の作業等に起因してもっと状況がややこしく、原因を突き止めるのに苦労したのですが、その移行作業の問題点というのは本題を外れるので、いずれ機会があれば書きたいと思います。データベースの話と言いながらマネジメントの話っぽくなってしまいましたね。


マネジメントは家康の精神で?

まだ私が独立したての頃、私の師匠に呼ばれてある会社の技術支援をしたときの話です。会社員時代には自分の作業をいかにスケジュール通りに行うかということが主な関心事でしたが、その時初めて他人に作業をお願いするという経験をしました。

会社員時代には部下を持ったことがありませんので、正直なところそれがどれほどの苦労を伴うかというのは知りえないのですが、独立してからのそれというのは、相手は自分にとって顧客という立場だということで一層難しく感じられました。

仮に相手が自分の部下だったとしたら、その立場を利用して尻を引っぱたき、半強制的に作業をさせるということが出来るかもしれないのですが(実際にそうするかどうかは別として)、少なくとも相手が顧客だとそうはいかないですよね。

そんな時、師匠が面白い話をしてくださいました。それは「家康の精神で取り組む」ということ。初めはさっぱり意味がわからなかったのですが、後になってどうやらこういうことらしいということが分かってきました。

  • 信長:殺してしまう → 作業を取り上げる
  • 秀吉:鳴くまで待つ → 作業が終わるまで待つ
  • 家康:鳴かせてみる → 何とかして終わらせる

つまり人に割り振った作業というのはあらゆる手段を使って作業を進捗させるべきで、その為に色々と工夫をすべきだということです。

これはまた別の現場での話ですが、マネジメントする立場の方が会議の場で作業者の進捗状況を尋ね、たとえそれが間に合いそうにないという時でも、作業者の言い分を鵜呑みにしてそれをそのまま上司に報告するだけというパターンを目撃したことがあります。しかしそれでは目的は達成されないわけで、マネジメントする立場であれば期限通りに仕上がるように手を打たなければならない。もう過去のことですがそんなことをつい最近のことのように思い出しました。


引き受ける責任、断る責任

組織の中にはいろんなタイプの人がいますが、頼まれた仕事を何でも一つ返事で引き受けるというタイプの人がいます。そして一般的にはそういうタイプは人一倍責任感が強く、仕事熱心だと思われているふしがあります。ところが安易に仕事を引き受けた結果、仕事が回らなくなって周囲が苦しくなってしまうというケースも見受けられます。

私も、かつては頼まれた仕事を一つ返事で引き受ける方が責任感が強いと漠然と考えていました。でもある時から、実は全く逆なのではないかと思うようになってきました。

確かに何でも頼まれた仕事を引き受ける人は、仕事を頼む方から見れば非常に頼もしい存在です。だから周りの人が次から次へとその人に仕事を頼みます。しかし一人でこなせる仕事量はたかが知れていて、だから部下に仕事を回すことになります。仕事を回した分、自分の手が空くので更に仕事を引き受け…そして部署全体が飽和してしまうのです。すると、期限に間に合わないか、間に合っても品質の悪い仕事が増えてきて、仕事を頼んだ方は次第に不満を募らせるという結果を招きます。頼んだ方が文句を言おうものなら、頼まれた方は悪びれるでもなく「成果が出ないのは次から次へと仕事を頼んだ方が悪い」という態度を取ってしまいがちです。

一方、頼まれた仕事を全て引き受けるのではなく、内容を吟味した上で引き受けたり引き受けなかったりする人は、仕事を頼む方から見ればあまり面白くないかもしれません。しかし断る時は、依頼された仕事を高い品質で納めることができないと判断したから断るのですし(いや、単純にやりたくないというケースもないわけではないですが、気分が乗らなければ品質も落ちますよね)、引き受ける時も、依頼された仕事を高い品質で納めることができると判断したから引き受けるのだと思うのです。だからこのタイプの人が引き受けた仕事は品質が高いし、成果が出せなかった場合でも頼まれた方は「成果が出ないのは自分の力不足だ」という態度を取る傾向にあり、最後まで誠意を持って対応できるのではないでしょうか。

仕事を「引き受ける」ことと「成し遂げる」ことは全く違いますよね。一度引き受けたことは最後まで成し遂げるというのは当たり前のことです。自分に出来そうかどうかを精査しないで、むやみに仕事を引き受けることはむしろ無責任な行為なのではないでしょうか。


「自立した契約者? それってどんな仕事なんですか?」

昨日、日経ビジネスオンラインにIC協会・理事長の田代さんのインタビュー記事が掲載されました。主な内容は田代さんの専門でもある労務関連の話題から、インディペンデント・コントラクターという働き方についての説明まで、非常にわかりやすく噛み砕いてお話をされています。

冒頭は多くの人に関係すると思われる「非正規社員の契約が更新され続けて5年を経過すると、その人から申し出があれば正社員にしなければならな」くなった労働契約法の改正の話題で読者を掴みます。関係するのはもちろん非正規社員として働いておられる方、そして非正規社員を雇っている方です。

しかしそれだけにとどまらず、経済のグローバル化によって今の正社員でさえも安泰とは言えない状況になってきていると指摘されています。要は誰でもできる仕事をする人になるのか、誰にも真似できないような仕事をする人になるのかという分岐点に立たされているのですね。最近は年収の二極化も話題になっています。正規であれ非正規であれ、稼ぐ人になるためにはそれなりに専門性や視野の広さを身に着け、何かに突出する必要があるということでしょう。

私も以前、ICという働き方について講演をしたことがありますが、まだまだ認知度は低い。もちろんICという言葉を知らなくてもすでにICの働き方をしていたり、会社員であってもICのマインドを持ってお仕事をされている方もいらっしゃいます。今後もリストラによる希望退職、整理解雇というのは続いていくでしょうが、もしご自分がそういった局面に立たされた時に、ICという働き方を次のステージの選択肢に含めてはいかがでしょうか。また違った世界が開けてくると思います。

まずはリンクの記事を通して読まれることをお奨めします。


「自立した契約者? それってどんな仕事なんですか?」
田代英治・インディペンデント・コントラクター協会理事長に聞く
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130621/250039/

ブランチ事例を発表させていただきました

昨日21日(金)に西新宿でTOCfEの月例勉強会に参加いたしました。今回の事例発表はクラウドが2名、ブランチが私を含めて3名でした。

今回なるほどと思ったのは、自動製氷機のタンクに浄水を入れてはいけないというブランチ。私は何も考えず(もちろん冷蔵庫の取説も読まず)浄水をせっせと汲んでいたので、今度からは水道水を入れようと思います(笑)。とはいっても実は、これはまずいのではとうすうす感付いてはいました。だって氷がいっぱいの時はタンクの水が全然減らないんですから。

さて、一方で私が発表したブランチは、私が過去に実際関わったシステム開発のプロジェクトにおけるUDE(UnDesirable Effects)についての原因を追究するというもの。皆で大変な思いをしてなんとか終了したプロジェクトですが、その後の公式な反省会を踏まえて私が個人的に作成したものです。全体を一つのブランチにすると大きくなり過ぎるので、生産性、品質、マネジメントという3つのテーマについてそれぞれブランチを作成し、今回は生産性についてのブランチを発表しました。全部で3回のシリーズで発表させていただく予定です。

私はもちろん全体像を知っている状態で発表しているのですが、聴いている参加者の皆さんは最初のブランチしか見せられていない状態だったので、かなりもやもやさせてしまったようです。「なぜ3つに分けたのか」という質問も受けましたが、この勉強会は参加者がそれぞれ課題を持ち寄るので時間が限られており、かつ、この勉強会で発表することを前提にしていたので最初から分けてしまったのです。次回はその全体を俯瞰した図を1枚追加しようと思います。

ブランチは、作っているときは自分の中でうまくつながっているように思えるのですが、やはり状況を知らない(つまり余計な情報を持たない)人に見てもらうことで、論理的につながっているかどうかを純粋に検証できますね。


好きなことをやって一人でも食べていくには?

今日はIC協会の月例セミナーが開催されまして、参加してきました。今回は「一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか」というテーマで、「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか…」という書籍の著者である山口揚平氏がご講演をされました。

今回はタイトルのせいもあってか、IC協会の会員と非会員の比率が半々くらいで(いつもは会員の方が圧倒的多数なのですが)、やはり多くのICの人にとっては「俺はもう一人で食えてるし、関係ない」と思っておられるのだろうかと考えてしまいました。まあ、それは穿った見方だとしても、最初の問いかけで、参加者の中に独立していないし独立する予定もないという方が半分くらいいたのは事実です。

山口氏は活動している分野が私とは全く違うのですが、私と同い年ということもあって勝手に親近感を抱いてしまいましたし、起業家といっても非常に冷静で誠実な人柄を感じ、好印象を持ちました。同じ時代を生きてきたからかお話の一つ一つに共感でき、実は著書について全く予習もせずに参加してしまったのですが、にもかかわらず特に気づきという意味合いにおいて大変有益なお話しを聴くことが出来ました。話し方も論理的かつ哲学的だったためか少なくとも私にとっては理解しやすかったです。

山口氏に対して好印象を抱いた別の理由は、やはり起業しているのに成功体験を強調した話ではなく、むしろ失敗体験が多かったという点。また、いくつかの失敗があったにもかかわらず、ご自分の信念というか軸がしっかりしているために自然と次のステップを見出しているという点でしょうか。また調子の波があったり、悩むこともあると正直におっしゃった点も(当たり前のことかもしれませんが)好印象につながりました。

起業家のお話は、タメになる部分や元気づけられる部分もありますが、成功体験ばかりだと自分とは違う世界の人だみたいに思ってしまうところもありますよね。でも実際には悩むこともあるし、調子の悪い時もある。良い意味で開き直れるそういった謙虚さというのはこれからも忘れずにいたいと思いました。

正直なところ山口氏の話は(会社員時代はM&Aをされていたそうなので)スケールが大きくて、個人的にはまだ消化しきれていないところもあるのですが、「今一番流行っているメディアを選ぶ」というお話はそのとおりだと思いますので、肝に銘じて実践していきたいと思っています。