シンプルな課題管理が難しい理由

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

組織で仕事をする時、
その案件ごとに課題管理をします。
勿論シンプルに管理する方が良いのですが、
気をつけて運営しないと
実際にシンプルさを維持するのは難しいです。

まずは教科書的な話として、
管理項目の分類を明確に定義します。
一般的には次の3分類かなと思います。
これは業務の特性を問わず、
また、管理ツールを使うにしても
スプレッドシートを使うにしても使える
汎用的な分類です。

(1)質問(Q&A)

1つ目の分類は「質問」です。
これは単純に
「必要としている情報をください」
という依頼です。
不明確な事を明確にするための行為です。

質問に対する回答が返ってきて、
必要が満たされれば終了です。
もし、不明確な部分が残っていれば
もう一度質問をします。
主題の不明点がなくなるまで繰り返します。

(2)タスク(ToDo)

2つ目の分類は「タスク」です。
これは備忘録的に自分のタスクを登録して
自分で状況を管理することもありますし、
他のメンバーやチームに作業を依頼する場合
連絡手段としての役割を兼ねて
状況やワークフローを管理します。
やるべきこと、つまり手を動かすことなので
「ToDo」と呼ばれることもあります。
これはやるべきことが一通り終わって、
依頼者の確認を受けたら終了です。
内容が要求レベルに達していなければ、
到達するまでやり取りを繰り返します。

(3)課題(Issue)

最後の分類は課題です。
これは意思決定が必要なもので
「イシュー(Issue)」とも呼ばれます。
必要に応じて話し合いを持ち、
意思決定を行います。
解決すべき状況が解消すれば終了です。

このように、
それぞれの性格は異なるものなので、
それらを区別して管理すればシンプルです。
でも実際にやってみるとなかなか難しい。
それは何故でしょうか。

例えば、
依頼者は単純に質問しただけだったのに、
話し合って決めなければならないことが
後から分かった場合とか、
厳密にどっちと言えないパターンがあります。

例えば、課題の場合、
課題が解決したら終わりでなくて、
それを実行に移すためのタスクが
必要になったりするものです。
あるいは、課題を解決するために
質疑応答がいくつか必要になることもあるでしょう。
また、最初は単純なタスクだったのが、
不明点が判明して質問するという具合に
時間の経過とともに
内容が変化するケースがあります。

シンプルに管理したいのであれば、
当初の目的を果たした時点で
その項目は終了して(閉じて)しまい、
派生課題は新たな項目として起こすというのが
シンプルさを維持するコツです。

    ◆    ◆    ◆

シンプルさを維持するという意味で
もっと悪いやり方は、
一つの管理単位の中に
複数の項目を入れてしまうというもの。
ただ、これは対策は単純で、
一問一答形式にすれば良いです。
つまり1つの管理単位に
1つの項目だけを入れるようにするのです。
関連しているからということで
まとめたい気持ちも分かりますが、
管理が煩雑になるのでお奨めしません。

とにかく1つ1つをシンプルに。
慣れている人にとっては
こんなの当り前じゃないか
と思う内容ではあるんですが、
プロジェクトのメンバーには
慣れていない人もいるかもしれません。
これは自然にできるものではなく、
庭に雑草が生えてくるように、
自然に任せていたら
全体的に散らかっていくものです。
ですので、常に整理整頓して、
シンプルさを維持するように
気をつけながら運営したいものです。



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