みずほ銀行が金融庁に提出した業務改善計画の概要を公表

プロジェクトオーガナイザの吉田聖書よしだみふみです。

1月17日に、みずほ銀行とみずほフィナンシャルグループが金融庁に業務改善計画を提出したというニュースを取り上げます。みずほ銀行は弊社のメインバンクでもありますので是非頑張っていただきたいと思います。

みずほフィナンシャルグループのニュースリリース

業務改善計画の提出について

昨年の11月末に、金融庁がみずほ銀行とみずほフィナンシャルグループに対して業務改善命令が出されまして、それを受けて業務改善計画を作成して提出したというニュースです。業務改善命令が出された時もこのブログで取り上げましたが、その続報ということで今回も取り上げたいと思います。

その時の記事がこちら。

金融庁が業務改善命令で指摘した、みずほ銀行システム障害の根本原因

今回取り上げるニュースリリースは、あくまでも業務改善計画を提出したというものであり、計画そのものを一般公開することが目的ではないと思うんですが、計画の概要が別紙として添付されていて、ダウンロードして誰でも読めるようになっています。この計画の概要は、まずみずほ銀行としての改善計画、続いて親会社のみずほフィナンシャルグループとしての改善計画が、A4用紙で15ページにわたって記載されています。

では肝心の中身はどうかと言うと、私は正直厳しいなと思いました。何が厳しいかというと、やることはいっぱい書かれているのですが、何故それをやるかという「ねらい」や「効果」に全く触れられていないんですね。つまり、「そこに書かれていることを全てやったとして本当に改善できるのか」という評価ができないということです。

何々の強化とか、何々の向上と書かれていても、強化されたとか向上したというのはどうなったら強化されたとか向上したと言えるのかが不明なのです。例えば「売上アップ」という目標を立てましたと言って、結果的に1円だけしかアップしなくても、果たして目標を達成したと言えるのでしょうか。ある施策をやりますと言って、それがどのような効果をもたらすかが書かれていなければ、本当にその施策をやる意味があるのかどうして判断できるでしょう。

改善しようと思うからには、何か改善したい好ましくない状態があるわけで、それを好ましい状態に持って行こうという姿勢が無いといけないですよね。よく私の周辺でも言っている方々がおりますが、改善や変革というのは「何を変えるのか(現在地)。何に変えるのか(目的地)。そのために何をするのか(手段)」という3要素が揃っていないと実現が難しいということです。

例えば、システム保守というのはまさに情報システムの改善活動ですよね。情報システムに何か望ましくない状態がありますと。これが現状認識・課題認識ですね。それを望ましい状態に変えたいんですと。これがあるべき姿・目指すべき姿です。ではそれをどうやって実現しますかというのが具体的な施策や手順であってこれらが揃って初めて保守案件の計画の骨子と言えます。この、課題認識と目指す姿が語られずに、施策だけやりますという宣言は普通は認められません。


※ この記事は、先日公開した以下の音声コンテンツを基に編集したものです。


もちろん、公開されているのは業務改善計画の概要であって、本体にはきちんと書かれているんだということなのかもしれません。でも、課題認識を曖昧にしたままで活動だけを公表する意味があるのかと思わずにはいられません。もし、公表されている概要資料から読み取れないお前が悪いんだというご意見があればそれは甘んじて受けます。

しかし、概要だからこそ、やろうとしている活動の羅列だけではなくて、「何を変えるのか、何に変えるのか、そのために何をするのか」という3要素をきちんと記載して公表すべきなのではないかと私は考えます。それができていないのであれば、やはりこの業務改善計画も、金融庁から作れと言われたから作ったに過ぎない、ということにならないでしょうか。



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