ドキュメントを読んでもらうという配慮

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

皆さんは部下や委託先の方々に
ドキュメントを作成してもらうことがあると思います。
その時、受領したドキュメントを
どのような観点でレビューしているでしょうか。

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指揮者はコンサルタントであり、コーディネータであり、リーダーである

ITコーディネータの吉田聖書よしだみふみです。

実は今、聖書の研修の為にドイツに来ています。
会自体は昨日終わりまして、
あと数日滞在した後に帰国する予定ですが、
今回はそこで感じたことの一部をお伝えしたいと思います。

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目的・意図を資料化することの大切さ

ITコーディネータの吉田聖書
よしだみふみ
です。

主に部下の方々に仕事を依頼する際に、
やることの目的や意図を明確にするだけではなく、きちんと資料化して伝えましょうというお話です。

仕事の依頼というのは、つい
「やるべき事」「して欲しい事」
にフォーカスしてしまいがちです。
質問されたら目的や意図を説明するといったことはあるかもしれませんし、
そんな事しなくてもちゃんと仕事は回ってるよという声もありそうです。

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引き受ける責任、断る責任

組織の中にはいろんなタイプの人がいますが、頼まれた仕事を何でも一つ返事で引き受けるというタイプの人がいます。そして一般的にはそういうタイプは人一倍責任感が強く、仕事熱心だと思われているふしがあります。ところが安易に仕事を引き受けた結果、仕事が回らなくなって周囲が苦しくなってしまうというケースも見受けられます。

私も、かつては頼まれた仕事を一つ返事で引き受ける方が責任感が強いと漠然と考えていました。でもある時から、実は全く逆なのではないかと思うようになってきました。

確かに何でも頼まれた仕事を引き受ける人は、仕事を頼む方から見れば非常に頼もしい存在です。だから周りの人が次から次へとその人に仕事を頼みます。しかし一人でこなせる仕事量はたかが知れていて、だから部下に仕事を回すことになります。仕事を回した分、自分の手が空くので更に仕事を引き受け…そして部署全体が飽和してしまうのです。すると、期限に間に合わないか、間に合っても品質の悪い仕事が増えてきて、仕事を頼んだ方は次第に不満を募らせるという結果を招きます。頼んだ方が文句を言おうものなら、頼まれた方は悪びれるでもなく「成果が出ないのは次から次へと仕事を頼んだ方が悪い」という態度を取ってしまいがちです。

一方、頼まれた仕事を全て引き受けるのではなく、内容を吟味した上で引き受けたり引き受けなかったりする人は、仕事を頼む方から見ればあまり面白くないかもしれません。しかし断る時は、依頼された仕事を高い品質で納めることができないと判断したから断るのですし(いや、単純にやりたくないというケースもないわけではないですが、気分が乗らなければ品質も落ちますよね)、引き受ける時も、依頼された仕事を高い品質で納めることができると判断したから引き受けるのだと思うのです。だからこのタイプの人が引き受けた仕事は品質が高いし、成果が出せなかった場合でも頼まれた方は「成果が出ないのは自分の力不足だ」という態度を取る傾向にあり、最後まで誠意を持って対応できるのではないでしょうか。

仕事を「引き受ける」ことと「成し遂げる」ことは全く違いますよね。一度引き受けたことは最後まで成し遂げるというのは当たり前のことです。自分に出来そうかどうかを精査しないで、むやみに仕事を引き受けることはむしろ無責任な行為なのではないでしょうか。


強い組織に見られる性質

リーダーシップというテーマだけで興味を持つ方は多くいらっしゃると思いますが、今回ご紹介する本はちょっと趣が異なっています。というのも、本書はアメリカ海軍の士官候補生のための書物だからです。ですので、そのまま日本の企業に当てはめようと思うと多少無理があります。

とはいうものの、エッセンスを抽出すると、実は日本の企業におけるリーダー(あるいはマネージャー)でも教訓にすべき原則がたくさん述べられているという点は特筆すべきでしょう。特にラインのマネジメントにおいて気づかされる点は多いです。

本書は様々な切り口で書かれており、一言で表現するのは難しいのですが、私が特に興味を抱いたのは次の点です。それはリーダーは次のような態度でいるべきだという勧めです。

  1. 健全な懐疑主義
    一言で言うと、他人の意見を鵜呑みにしないということ。本当にそうかどうか自分の目で確かめるまで判断を保留するという態度です。それは「もちろん」「当然」「常識」「伝統」「慣例」などを疑うということでもあります。
  2. 客観性
    前項の内容と絡めると、自分自身の客観性を疑うということでもあります。つまり、自分が何かを判断するとき、あるいは観察するとき、どうしても主観的になってしまう。逆説的ですが、自分が客観的ではないと悟るところから自分の客観性が始まるのです。
  3. 変化への即応性
    懐疑的な態度であらゆることを疑いつつも、新たに客観的な証拠が示された場合にはそれを即座に受け入れるということです。現在のすべてに反対するというのは結局何も変えようとしないに等しいのです。

また、本書はリーダーシップについてというよりは、組織論について書かれた本と呼ぶのが相応しいかもしれません。そう考えると次のような「組織の原則」という項目は実に今の日本の企業においても参考にすべきでしょう。いくつか要約して列挙すると、

  • どんなタスクも2つのグループまたは2人以上に割り当ててはならない
  • 組織のメンバーは誰でも、自分が誰に報告するか、誰が自分に報告するか、を知らなければならない
  • 組織のメンバーは誰でも、2人以上の監督者に報告してはならない
  • 誰でも効果的に調整かつ指令することができる範囲以上のグループまたは個人を、直接報告関係にある部下として持ってはならない
  • 細かな手続きよりもむしろ、ポリシー(方針)によって統制を行うべきである

などなどです。軍隊がそうであるように企業においても組織構造がシンプルで、全てのメンバーが主体的に動く組織は強いのです。
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書名:リーダーシップ
著者:アメリカ海軍協会
発行:生産性出版/1981年10月24日
ISBN:978-4-8201-1916-6