組織として成果を出せるようになるためには?

7日にJSDG(日本システムアドミニストレータ連絡会)の第36回東京ミニ研修会が開催され、参加してきました。私自身は半年振りの参加です。発表者はY2研究所の吉田裕美子さん。タイトルは「どう違うの? 外資系企業の情シス・シスアドの仕事」、テーマは「日・米『良いとこ取り』で考える、シスアドのためのリーダーシップとチーム力」という内容でご講演を頂きました。

リーダーシップについての話は別のエントリに書くことにしますが、日本において典型的な外資系企業、特にアメリカ企業の日本法人のイメージというとどんな感じでしょうか。外資系企業で働いた経験のある知人によると、社員ごとに役割分担が明確で、自分の仕事だと認識していないことについては協力せず、社員同士が足の引っ張り合いをし、また、社員の入れ代わりが激しく、多くの人が腰掛けのつもりでいて、給料は高いが帰属意識は低いのだそうです。

吉田さんの話ではこれらに加えて、明確なJob descriptionがあり、成果にコミットする仕事のやり方をし、人選はトップがコストパフォーマンスを考えて行うのだそうです。この考え方の根底には一人ひとりが高い成果を出せば、組織全体の成果が高くなるという発想があります。しかし、それがうまくいくこともあるでしょうが、たとえそうだとしてもそれは長続きしません。一方で、日本企業の良いところを取り入れた外資系企業もあり、そこでは社員同士が協力し合ってチームとして成果を出すため、人が辞めていかないのだそうです。こちらの考え方の背景には、個人ではなくチームとして成果を出すということを意識している点。そのために銘々の強みを組み合わせるようなチーム作りが行われているとのことです。

面白いと思ったのはこれだけ明確に両極端の会社がある一方で、どちらともつかない会社があるということ。これは成果主義を取り入れている会社に多いのではないかと思いますが、人事制度には業種によって向き不向きがあるようで、多業種に事業を展開していながら画一的な制度を敷いている会社はそういった制度疲労を起こすケースがあるのではないかと感じました。

じゃあ結局どちらのタイプがいいのさ、という話ですが、これは人それぞれ好き嫌いもあるので一概にどちらが優れているということではないのですね。自分がどちらのタイプの組織で働きたいかという問いを自分に対して発してみましょう。そして、後者のタイプの組織がうまく機能するための秘訣が「リーダーシップ」なのだと理解しました。


東日本大震災から一年、改めてBCPを考える

今日はJSDGの東京ミニ研修会が開催され、参加してきました。今回のテーマはBCPです。東日本大震災から早一年が経ちまして、当時を振り返ると直接的な被害だけではなく、交通や物流の問題、在庫や仕入の問題、電力供給の問題等ビジネス環境に様々な影響をもたらしました。そこで急に注目を浴びたキーワードがBCP(事業継続計画)です。

今回は発表が2つありました。1つ目はBCMS(事業継続マネジメントシステム)についての発表でした。特に複数の拠点を持つ企業の場合、個々の拠点でBCPを策定していたりすると、それはそれで良いのですが、会社全体としては足並みが揃わないということがあり得ます。そこで、BCMSを規格化する動きが出てきているという要旨でした。ちなみにBCPとBCMの関係ですが、BCPは計画、BCMは運用でして、運用のための仕組みがBCMSということになります。ですのでBCPはBCMSにおいて用いられるものということです。災害対策、防災訓練は重要ですが、それ以上にマネジメントが重要なのですね。

尚、ここでいう規格というのは国際標準規格(ISO)のことで、ISO22301という規格がおそらく今年中には正式に発行されるのではないかということです。また、上位に当たるリスクマネジメントの国際規格としてISO31000というものも紹介されました。

2つ目は、東日本大震災発生時に実際にシステムダウンを体験された方の発表でした。震災を機に社内システムをクラウド化する動きも加速しました。しかし、クラウドサービスというのは原則としてどこにサーバが在るかは知らされていません。(中には国内にサーバが在りますと謳っているものもありますが。)特に海外にサーバが在る場合には、サーバが在る国の法律の制約を受けるという説明がありましたが、正直なところ私は余り意識していませんでした。問題になる頻度としては低いけれども影響を想定しておく必要はありそうです。最終的にクラウドサービスを選定し、社内サーバをクラウドに移行するに当たり、震災後検討に3箇月、準備と移行に1箇月かかったそうです。

その後休憩をはさんで意見交換・情報交換が行われました。普段聞くことができない事例をたくさん聞くことができ、大変有意義な研修会となりました。ここには全てを記載しきれませんが、一部ご紹介します。

  • やらなきゃいけないことは分かっている。では、本当にどこまでコストをかけられるのか。最後は経営判断でしかないが、その判断材料は充分に集める必要がある。
  • どこまでリカバリーを想定するかを判断し、その範囲を超える場合の覚悟を決めておかなければいけない。
  • BIA(ビジネスインパクト分析)は通常は起こりえないけど、起こったら大変なこと困ることは何かを考えることから始める。
  • 災害に限らず、原因はどうであれ何らかの理由で事業の一部が行えなくなった時に代わりにどうやるかを考えることが重要。原因型のBCPではなく機能停止型のBCPでないといけない。
  • 東京では地震の時のBCPよりもインフルエンザの時のBCP(社員の大半が出勤できない時の対応)の方が役に立ったそうだ。

雇われないシスアド

昨日はJSDGの研修会が金沢であり、発表者の一人として参加してきました。金沢での研修会は5年ぶりで、とても楽しみにしていました。先月の後半から全国的に寒くなってきましたが、日本海側は特に雪が積もっていました。私は上越新幹線と特急はくたか号を使って行きました。途中の越後湯沢付近はとても雪深く、その景色は圧巻でした。それでも新潟や富山に比べたら金沢は雪が少ないようで、駅から会場までの道中、そして研修中も吹雪く時間帯もありましたが、それ以降は晴れることはないものの天気が崩れることもなく、大変楽しい研修旅行となりました。

さて、研修会では私の他に2名の方が発表されました。トップバッターは私が担当させていただきまして、2人目は北陸電力で水力発電のダムを担当されている方の事例発表、3人目は会社の辞令(?)でスマートハウス(スマハ)についてレポートするため1か月間青森で生活された方の事例発表でした。具体的な内容は事情がありここには書けないことになっていますので割愛いたします。

一方、私は「インディペンデント・コントラクター」についてお話しさせていただきました。私はシスアドの会(JSDG)とICの会(IC協会)の両方に所属していて、実はシスアドとICってぶつからないよなぁと予てから思っていたのです。だったらJSDGのメンバーにICについて知ってもらったらいいのではないか、と考え今回のテーマを決めました。最初はICとは何かという話から始め、ICの持っている特性を紹介して、JSDGの皆さんはそのような特性をお持ちですよね、という風につなぎました。このテーマについては追々このブログでも触れていけたらと思います。

この話に端を発して幾人か共感のコメントや質問をしてくださいました。今回参加されたメンバーも仕事における立場やスタイルは様々ですので、もしかしたらピンと来ない方もいらしたかもしれません。ですが、まずは存在を知ってもらうことから始めて、そのうち「自分もICになってみようかな」と思う人が一人でも出てくれば嬉しい限りです。とはいえICに成ることが全てではありませんし、人によって向き不向きがあるのは事実です。でもそういった自分の性格を見極められるのもシスアドの素養の一つではないかなと思っています。


NPO法人インディペンデント・コントラクター協会
http://www.npo-ic.org/

プリンシプル・コンサルティング株式会社(IC協会初代理事長・秋山進さんの会社)
http://www.principleconsulting.co.jp/

株式会社田代コンサルティング(IC協会現理事長・田代英治さんの会社)
http://www.tashiro-sr.com/

大勢で同じ問いを共有し、議論を深めた二日間

昨日と本日の二日間、小田原(小田原市民会館)にてJSDG第12回全国大会が開催され、参加してきました。全国大会というのは毎年開催されている文字通り全国規模のイベントで、一泊二日で行われるのが通例です。ちなみに昨年は岡山の玉野というところで開催されました。

今年のテーマは「繋(つな)ぐ」。基調講演はオリンパス株式会社 コーポレートセンター IT本部長の北村正仁さん。「グローバル化時代における日本の『IT現場力』を再考する」というタイトルで、事業環境の変化と、その変化に対する自社の取組みについてお話しをされました。単に事例の紹介ということだけでなく、どういった考え方で取り組んだかという抽象化されたエッセンスについても喩えを用いてお話しくださり、後の時間でも頻繁に引用されるほど分かりやすく有益なご講演でした。特にラーメンやカレーが既に日本食であるという例を挙げ、「鎖国か開国かの二者択一ではなく、日本流にアレンジしていけばいい」というコメントはどこかタイムリーでもあり、なるほどと思わされました。北村さんは上級シスアドの資格をお持ちだという点も、JSDGのメンバーにとっては親しみを感じられて良かったですね。

その後は会員の発表が2コマあり、恒例のリレースピーチが行われました。リレースピーチというのは、一人1分間の持ち時間で、参加している一人一人が全員の前で話すというものです。今回は70人弱参加されていましたので、一人1分とはいえ60分以上を費やすコンテンツです。普段お目にかかれない方の近況を伺うことができ、その後の懇親会で話すネタを収集する場でもあります。懇親会は研修会場近くの「万葉の湯」で行われました。料理もお酒も美味しく、初めてお会いする方や久しぶりにお目にかかった方ともお話しをすることができ、また、日ごろ抱えている課題のヒントをたくさんいただくことができて大変有意義な時間でした。そして二次会へ。ここでもさらにディープな話題について情報交換を行いました。本当はもっと話していたかったのですが、宿の門限もあり、私はそこまでで休むことにしました。

二日目はワールドカフェで意見交換を行いました。私はワールドカフェは3回目なのですが、テーブル数が13と、これまでにない規模でした。問いは「10年後につなぐために、今、シスアドは何をすべきか?」というもので、開催に先立って午前中には、このワールドカフェのための共通の土台となるセッションがありました。そのセッションを聴いた時点では、与えられたこのテーマはふさわしいなと思えたのですが、いざダイアログを始めてみるとこれがなかなかとっかかりがないのです。極端な例では「何もしない」なんていう意見もありましたね。(シスアドならどんな状況に陥っても成果を出すからという前向きな意味でしょう。)

私がいたテーブルでは、10年前どうだったっけという振り返りと、10年後どうなっているだろうかという予測についてはそこそこ意見が出てくるのですが、そもそもの問い「何をすべきか」になると話がストップしてしまう。ワールドカフェは収束ではなく発散の手法なのでやむを得ないのかもしれませんが、そもそもの問いについての議論が掘り下げられなかったのが心残りでした。

その中で私が得た気付きは何だったか、改めて振り返ってみました。

  • 最初はふさわしいと思えた問いでも、考えを深めようとした時に深められなかった場合は、問いがふさわしくない可能性がある。
  • 本来話さなければならない話題がとっつきにくい場合、自然と話しやすい話題に逸れてしまう。(水は高いところから低いところに流れる、の応用)
  • その場合、逸れた話題を軌道修正しても、問い(前提)を見直さない限りはまた直ぐに逸れてしまう。
  • 明記されていないことは行間を読む(推測する)のではなく、確認すべきである。

また、私自身のシスアドに対する考えですが、シスアドは今後、ビジネスやITの環境の変化に対応して立ち位置も役割も変わっていくんだろうと思います。ただ、その時、その立場・役割の人(人材像)をシスアドと呼ぶのが果たして適切なのだろうかという疑問も持っています。

最後は幹事長の挨拶で締め括られました。来年もこのような充実した大会が開催できるといいですね。


巷で話題のワールドカフェを体験!

先週の土曜日に京都にてJSDG関西ミニ研修会が開催され、参加してきました。内容は「体感!ワールドカフェ ~テーマはプレゼンテーション~」ということで最近良く耳にするワールドカフェを体験してみました。

ワールドカフェというのはネットで調べてもいまいち判然としない。「情報共有の手法」という紹介も見受けられますが、単なる情報共有を目的とするものではありません。また、「カフェ的空間を意図的に作り出す」という表現もありますが、その「カフェ的空間」がよく分かりませんよね。私の理解では、議長がいて何かを決議するというのではなく、(緩めの)ルールに沿ってあるテーマについて積極的に話し合い、他の人の考えに耳を傾けて共感と気付きを得る手法です。

ミーティングの進め方についてもサイトによっては曖昧な記述しかないのですが、今回は次のように進めました。集まったのは進行役を含めて13名。そこで3人ずつ4テーブルに分かれて着席し、アイスブレーク。プレゼンテーションに関係した「問い」を個人でまず考えます。次にグループ内で話し合い、テーブルで1つの「問い」に絞ります。そしてテーブルで1つずつ出された問いに対して全員が投票し、最終的に1つの「問い」に絞りました。今回選ばれた問いは「攻撃的な質問者への対応方法は?」というものでした。なかなか興味深い問いですよね。

そしてその「問い」についてテーブルごとにまず自由にワイガヤをやります。20分程度話し合ったら1人がホストとしてテーブルに残り、後の2人は別のテーブルに移動して第2ラウンド。同様に20分程度話し合ったら元居たテーブルに戻って第3ラウンド。最後は個々が得た「気付き」を全体で順番に発表して終わりました。5人としか話していないのに、まるで全員と話したかのような感覚になるのが面白いです。参加人数によってはラウンド数が増減するそうです。

ちなみに、会場となったのは「都野菜 鹿ケ谷(ししがたに)」という野菜をメインにした居酒屋さん。昼間は営業していないので2階のお座敷を借り切って使わせていただきました。居酒屋といったら怒られそうですが、落ち着きのある素敵な空間です。不思議なことに看板を出していないお店なのです。そして終了後はそのまま懇親会に突入し、楽しいひと時を過ごしました。


都野菜 鹿ケ谷
http://shishigatani.net/


『変化への対応』というテーマは今に始まった話ではない

昨年からJSDGの有志で「近江商人オフ」と題して『てんびんの詩』を鑑賞してディスカッションをするオフ会を去年から続けていましたが、先週末3回シリーズの最終回が開催され、参加して来ました。「てんびんの詩」は3部構成で毎回1部ずつ鑑賞するのですが、去年5月が第1回、11月が第2回、そして今回が完結編となりました。

第3部は「激動編」。第1部「原点編」及び第2部「自立編」もかなり激動だったので、第3部はどれだけ激動なのだろうかと話しながら鑑賞を始めました。内容としては全3部を通して商売の本質というテーマが根底にあるのですが、近江商人の精神を伝えているのは第1部と第2部で、第3部はそれらを踏まえた上で「時代の変化にどう対応すべきか」というテーマで綴られている感じがしました。それはそれですばらしい内容なのですが、メンバー間の感想としてはこのシリーズの真髄は第1部・第2部だね…というところで落ち着きました。

それにしてもバブル絶頂期に制作されたとは思えないほど、今でも通用する原則が描かれていることに驚きます。特に現在は時代の変化が大きくて激動の時代だなどと言われますけど、それは今に始まったことではなくて戦後からそういった状況は続いて来ていたんだと知らされました。そして当時からずっと「変化への対応」が課題であり、しかもそれが未だに解決されていないということにも驚嘆せざるを得ません。きっとこれからもテーマであり続けるでしょう。

過去にこだわって明日を見ず、過去の栄光にしがみついて変化に抵抗すると必ずやられる。むしろ時代に合うように自分を変えていくべしと、繰り返し繰り返し角度を変えてメッセージを伝えていました。作中では『永遠に続く戦争は無い』という台詞が2回出てきましたけれど、私は逆に「永遠に続く繁栄も無い」としても通じるのではと思いました。

尚、時間が余ったので、参加者の一人が持参した「presentation zen」のDVDを鑑賞して意見交換を行いました。下のAmazonのリンクは書籍版ですが(追記:DVDのリンクも追加しました)、それを著者のトークで分かりやすく解説したDVDでした。今まで聴いてきたプレゼンテーションが必ずしもお手本として適していないかもしれない。もっと掘り下げて勉強してみたいです。


てんびんの詩 ―㈲日本映像企画
http://tenbinnouta.com/


ドキュメント保守を怠る罠とツケ

今日はJSDGの中部ミニ研修会(チュンケン)が名古屋で開催され、参加してきました。研修会の発表について、細かい内容はここには書けないというか書いてはいけないことになっているのですが、エッセンスなら書いても赦されると思うので書いてみたいと思います。

人によっておそらく受取ったエッセンスは異なると思いますが、私が引っかかったポイントは、ドキュメントの保守についてです(ちなみに発表のポイントとはズレています)。とあるシステムについて、納品時にドキュメントも納品されるとします。システムが運用開始すると、機能追加や仕様変更は同じ業者に発注するとは限りません。

その時、ちゃんとドキュメントも更新されれば良いのですが、様々な理由で更新されない場合があります。費用を抑えるためかもしれませんし、納期を死守するためかもしれません。ですが一度それを許してしまうとアウトです。その後システムの現状を把握することが困難になってしまいます。そうなると改めて外部に現状把握のための調査を依頼しなければならなくなります。

別のある方は、7年前に作成したドキュメントが、実態は変更されているにもかかわらず、そのまま出てきたと嘆いておられました。それはドキュメントのメンテナンスがどれだけハードルが高いかを物語っています。それは単に意識の問題もあるでしょう。メンテナンスのための時間が取れないという可能性もあります。それ以上にスキルの問題が大きいのではなかと思います。

自分たちではできないからと割り切って外部に委託するというのは悪い選択肢ではありません。もちろんちゃんと勉強して自分たちでできるようにするというのはより良い選択肢であり得ます。ですが、自分たちでやるだけのスキルが有るにせよ無いにせよ、何もしないで放置するということほど悪い選択肢はないと思うのでした。

チームを変えたITシステム

今日は新宿でJSDG東京ミニ研修会が行われ、参加してきました。会場は「新宿三丁目貸会議室」というそのままの名前ですが、新宿三丁目駅出口直結の便利な場所。そこそこの年代のビルですが、エレベータを上がってフロアに降りると受付があり、お洒落な内装が広がっています。設備もまだ新しくてきれいです。

さて、今日の研修会のテーマは「ファンの立場から見たプロスポーツチームのIT活用に関するシスアド的考察」ということでお話をされました。発表者は昔からのファイターズファン。2004年に北海道に本拠地を移転してからどのようにチームを築き上げて行ったか、そこにどのようにITが活用されているのかという内容だったのですが、私が想像していた以上にIT化が進んでいるようでした。

特に目を引いたのが独自に開発・導入したBOS(Baseball Operating System)という人材管理システム。コンピュータ雑誌にも紹介されたようなのですが、効率的な人材登用が可能になり、戦績アップにも寄与したのだとか。このシステム、まだ他の球団には入っていないそうなのですが、ファイターズは1億円かけて導入したというだけに、他の球団が二の足を踏むのも無理はないかなと思います。

普通の企業でも使えそうなシステムですが、プロ野球は選手の登録枠が70人と決められているだけに、普通の企業よりもドラスティックな人事がおこなわれます。さすがに普通の企業では人を採用したらその人数分だけ解雇するというわけにはいきませんよね。先日もドラフト会議が行われましたが、これからは試合だけでなくストーブリーグにも着目していきたいと思いました。


北海道日本ハムファイターズ
http://www.fighters.co.jp/

新宿三丁目貸会議室
http://www.shinjuku-kaigi.com/index.html

近江商人から現代でも学べること

今日は大阪へ出向いてJSDGの有志のメンバーで『てんびんの詩』第2部のDVDを鑑賞しました。

今年5月には近江八幡にてほぼ同じメンバーで第1部を鑑賞しましたが、その時に実は3部作であるということを知りました。第1部については10年ほど前に会社の研修で見せられたのですが、自発的に見たのではなく「見せられた」という意識が強かったため、嫌なイメージしか残っていませんでした。ですが、10年経って改めて見てみると、教えられるところが多かったと感じました。

そして今回の第2部。主人公の大作が自立していく過程を描いているのですが、そこに込められたメッセージが盛りだくさんで、とても消化しきれるものではありませんでした。それほどに内容が深く、濃く、昭和初期を題材にしてバブル経済前に制作されたとは思えないほど現在にも通用する教訓を多く含んでいました。第1部と共に商売の基本原則、商人の基本精神を教えられました。

あまりにも多くの題材を詰め込んでいるために、見る人によっても、また、見る時機によっても、そこから得られるメッセージは異なると思います。なので勝手に総括するのは控えたいですが、もしご覧になるチャンスがあれば皆さんにも是非見ていただきたい内容です。

それにしてもDVDの鑑賞もさることながら、メンバー間でのディスカッションも大変盛り上がりました。作品の中では心に留めたいフレーズが多く登場するのですが、次々と登場するためにメモしきれず、皆の記憶を頼りにもう一度DVDを再生し、あそこでもないここでもないといかに記憶がいい加減であるかを思い知らされながら振り返りました。それらのフレーズを何度も反芻しながら、今後の活動に取り入れて行きたいです。

PMBOKとは、そしてPMPとは何なのか

前日に引き続きJSDGの研修会に参加です。今日は大阪に移動し、午後から関西ミニ研修会が開催されました。会場は此花区民ホール会議室。案内が来たときは此花区ってどこだ?と思って調べたら意外に梅田に近い。JSDGの大阪在住メンバーでも此花区へ訪れることはめったにないとのことでした。

さて、講演の内容ですが、『プロジェクトマネジメント~PMBOK、PMPって何者~』というテーマでお話がありました。一時期流行ったPMBOKとPMP。今でもまだやってるの?という素朴な疑問を持っていましたが、講演者ならびにPMP保持者によれば、かつては大規模プロジェクトに参画するにはPMPが必要だったこともあるようです。それに数年で改訂されて、今は第4版。今回はその第4版をベースに面白おかしく具体例を交えながら全体を一通り説明してくださいました。

PMBOKはプロジェクトマネジメントの手法だという誤解もありますが、平たく言うとPMBOKというのは手法も含めたプロジェクトマネジメントの工程ならびに成果物に関する知識を整理したもの、ということができるでしょう。そしてPMPとはPMBOKについての知識を問う試験を合格した人に与えられる資格です。PMBOKが手法だという誤解というのは、PMBOKが守るべき規準として取り扱われる間違いが起こっているということです。そうではなくて知識を整理したものに過ぎないということなんですね。

じゃあ意味ないじゃないかというとそうでもない。今回の講演を通して、PMPを取得するかは別として、PMBOKは一通り理解をしておくべきだなと感じました。小規模なプロジェクトまでにこれを適用できるかというとそれはやり方次第になるのでしょうが、それでも知っているのと知らないのとではプロジェクトの質が変わってくるだろうと思います。もちろん知っていればうまく行くということでもありません。ただ、完全な自己流よりは良いだろうなという感じです。その辺のさじ加減は難しいですね。

講演後、近くの居酒屋で懇親会。お店は講演者チョイスとのことで、見るからに大丈夫なのか?と思わせる外観。…講演者はそういうツッコミを期待していたそうなのですが、私を含めて皆さん普通に中に入って行きました。名古屋の某店に比べたら…。でもお店のおばちゃんの仕切り様はさすがといったところ。お魚もお酒もおいしく頂きました。